合宿免許 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 まとまった日数を確保できる学生の特権を利用して短期集中かつ安価に運転免許を取得しようと、行き帰りの交通費も含めて最安値となる合宿免許を申し込んだ。

 最安値だけに宿が非常に簡素で、食事風呂トイレ全て共同で4人相部屋という寮生活みたいな我慢を強いられる。

 が、それも最短16日の我慢……え? 性処理どうすんの? 全然考えて無かった、どうしよ?

 と、その一方で同室には気になるお一人様が。

 とりあえずオナニーどうするか問題を先延ばしにして、気になってた人の観察に勤しもうなどと邪なことを考えていたら、その人は二段ベッドの僕が居る下段にずんずんと侵入して来て……。


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

第1章 二段ベッドの下段

第2章 合宿えっち教習

第3章 仮免検定前の山場

第4章 実地が出来たら卒業のときが来る

第5章 2度目の更新、2度目の合宿免許

奥付

第1章 二段ベッドの下段

 うちには、ヤリ部屋がある。


 色々と試行錯誤を重ねた結果、今では若干スチームサウナ的な雰囲気も……いや、そんなことはないか。

 ただ、濡れたり、湿気たり、汚れたり、というのがどうしてもあるから、所謂普通の布とか綿とかは忌避するようになって、対処しやすい素材で固めるようにはなった。

 部屋は凄く狭い。

 納戸とかウォークインクローゼット程度で、窓も無い。

 通風孔を閉めてしまうと、やや防音室的な雰囲気も滲ませる壁だらけの空間。

 ただそこに、どうしても譲れないモノを押し込んだ結果、どうしようもなくヤリ部屋といった塩梅に落ち着いている。


 二人の思い出の品の二段ベッド。

 それも、華奢なパイプで良くきしむ、貧弱で狭いベッド。

 二段ではあるが、上は使わない。(いや、物置としては使うよ。グッズとか置いたりしてる。)

 ただでさえ狭い部屋をより狭くするかの如く、下の段に潜り込む。


 旦那とは、横に並べない。

 というか、旦那一人でベッドを構成するパイプの枠内をほぼほぼ使い切る。

 僕の居場所は旦那の下。

 縦横高さ共に狭い部屋を更に狭くした二段ベッドの下段で旦那に押し潰されて汗だくになるのがこの部屋の使用用途。

 冒頭でスチームサウナ的な雰囲気と言い掛けた意味は単にそこから来ている。

 熱源と圧力が旦那で、蒸気は二人で加湿。

 それがより籠りやすいようにベッドの下段は厚手のビニールカーテンで囲えるようになっている。


 二段ベッドがヤリ部屋要素?

 うーん、というか単純に思い出の品、というか、出会いの場所でもあったから。

 当時と全く同じ環境にすることは出来ないけれど、当時を強く思い出せるように意識して近似させようとはしたんだ。

 あのときの、合宿免許の相部屋を模して、さ。




 合宿免許ってのは泊まり込みになるから宿泊費用が余計に掛かるのだけれども、短期集中で決着を付けるから、だらだらと通学を続けるよりも場合によっては安く済ませられるんだ。通学の交通費もタダじゃ済まないからね。

 あまりこれは言っちゃいけないことかも知れないけれど、例えば仮免で落ちたりして期間が延長になってしまっても金額が変わらない補償付きのパックなんかだと、延長になればなるほど教習所側が損することになるので試験が甘くなる、なんて噂話も聞いたりしたっけ。

 確かに、1コマずつお金を払う通学なら厳しくして延ばした方が儲かるが、金額固定の合宿パックなら早く追い出した方が儲かる。

 なので、こちら側も短期で終わらせられるであろう、という計画を立てられ易いというメリットがある。

 ただ、もし本当に甘い基準で合格してしまうと、免許を取ってから苦労しそうだけれども。


 また、学生のうちであればほら、合宿出来るだけの纏まった休みが取れるから。

 だから、思い切って合宿免許に決めたんだ。

 当時は当然のように今よりも若かったから、そういう決断が出来るだけの若さもあった。

 とにかく短期集中で、最安値。

 というわけで、そこそこ地方の、あんまり遠くだと行き帰りの交通費もバカにならないのでその辺りも加味して、そこそこ地方の合宿免許に決めた。


 なかなかに田舎な教習所は周辺に娯楽施設的なものが一切無く、というかコンビニですら遠くて行く気が起きないような場所だった。

 それに、実際に行って何日か経過するまで知らなかったのだけれど、この場所、毎日のように夕立、雷雨が降る。

 だから余計に外に出る気が起きない場所だった。

 良いんたそれで。短期集中なのだから。

 何があろうとも最短16日で切り抜けて、2週間とちょっとの我慢だ、って思っていた。


 宿舎はホテル……というより寮のイメージの方が近い気がする。

 食堂、風呂、トイレ共同で、相部屋。

 僕が割り当てられた部屋は1部屋に4人、部屋の中に二段ベッドが2つ両壁に備えられている部屋だった。

 殺風景でひたすらグレーか黒か、って印象。

 ただ、あまり大きくはない窓の外には野原というか土手? というか教習所の土地も含めて見渡しの良い平原が続いている。


 僕は単身、一人で乗り込んで来たので、全員が初見の見知らぬ人。

 どうやら、相部屋になった他3人のうち2人は友達同士で来たらしい。

 その2人は相部屋の中でも最初から和気藹々あいあいとくっちゃべっていたりしたようだか、そうなると残されたお一人様同士の居心地がさらに悪化しかねない。

 ……のは杞憂だった。


 というのは僕の一方的な感想だったのだが、なんて言うか、ちょっとソソる人だったのだ。

 まずやはり、何と言っても縦横比が違う。

 合宿免許というとやはり免許が取れる年齢になってすぐという人の割合が高いように見受けられ、恐らく友達同士で来ているらしき2人は僕と同学年。

 残りのお一方も決して歳が行っているわけではなさそうなのだが、エラく貫禄があって。単純に縦横比の違いの所為も多分にあるとは思うのだが。

 『あんちゃん』、いや、『おっさん』と言っても良さそうなふてぶてしさが感じられる。


 頭そのものがちょっと目立つくらいに大きめで、多分、バランス的にはもうちょっと頭が小さい方が良いのだろうけれども、現実にこの大きさの頭が近付いて来るとちょっとビビりそう。

 そんな威圧感があるほどの存在感と塊感を持っている。

 そして、その大きな頭を支える首がこれまたエラく太くって、真正面から見るとほぼ全くくびれていない。

 横から見れば顎は確かにあるにはあるので、頭より首の方が太い、とまでは言えないのだが、恐らく既製服の一番上のボタンはまず間違いなく留められないだろう。下手したら2番目も危ない。


 んで、こちらの勝手な憶測だが、やっぱり首周りが苦しいのであろう、首前がガッパーンとはだけているような服装で、露出の多い褐色の胸元からはセクシーな胸毛がチラリ。

 ん? いや、それだけじゃなくて首周りにも、アスファルトの隙間から生える雑草の如くお毛毛がもっさり。

 恐らく、背中毛もばっちり生え揃っているお方とお見受け致した。


 顔も満遍なく均等に膨れており、しわを作る余裕がほとんど無くなっているせいか、ぱっと見お肌はつるつるのテカテカ。

 目鼻は整っていて、頭顔に比較すると相対的にはやや小ぶりに見えて可愛らしいのだが、若干目付きが悪くなる瞬間がちょいちょいあってちと怖い。

 が、その怖さと言うのが、単純に暴力的な方向の怖さというのではなくて、何と言うか、平然と犯して来てくれそうな、そんな感じのちょっとえっちな妄想が捗る部類の怖さだと思ったりもする。


 ただただ整っていて美形というよりも、そうしたちょっとした引っ掛かるポイントがある方が印象としては強く残るもので、例えば近年の音楽がセオリーを裏切ろうとするのはわざと引っ掛かりを作ることで聞く人にインパクトを残したいという狙いがあると聞いたことがある。

 この人はそれ系なのだ。引っ掛かりがいっぱいある。


 ちょっと引っ掛かる縦横比。

 ちょっと引っ掛かる頭の大きさ。

 ちょっと引っ掛かる首の太さ。

 ちょっと引っ掛かる目付きの悪さ。


 これで中身が本当にヤンキーとかチンピラだったりするとこの16日間は地獄でしかないのだが、そこそこ普通の人であるならば、目の保養には最適だったりするのだ。


(こちらは体験版です)

第2章 合宿えっち教習


(こちらは体験版です)

第3章 仮免検定前の山場


(こちらは体験版です)

第4章 実地が出来たら卒業のときが来る


(こちらは体験版です)

第5章 2度目の更新、2度目の合宿免許


(こちらは体験版です)


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合宿免許


OpusNo.Novel-090
ReleaseDate2024-06-12
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

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(こちらは体験版です)

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