重畳絶頂 体験版

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【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 いつも側近の研究助手である蔵木と群星を実験台にして無茶苦茶やりたい放題している印象のG博士だが、G博士はG博士なりに己を実験台として新たな領域を開拓すべく日々研究しているところもあったようだ。

 しかしながら、G博士は少々年季が入っており、性の盛りでないと難しいようなことへのチャレンジはなかなか成功に結び付けることが出来ない。

 それでもG博士は自身の体質改善にまで踏み込んでチャレンジを続けていたようなのだが、どうにも失敗続きで、どうやら少し心が折れ掛けてしまったみたいだ。


 そんな弱音を愚痴として群星に吐き出していたG博士だったが、どうやら結論は出ずともここいらで一旦、性の盛りにある蔵木と群星にも同じチャレンジをしてもらって新たなヒントなり取っ掛かりなりを得られないだろうか、という考えに至ったようだ。


【主な登場人物】





【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 博士の考えた新しい絶頂の形

第2章 初チャレンジ

第3章 新しい扉は開けるか

第4章 アフレコ

奥付

第1章 博士の考えた新しい絶頂の形

 話はG博士が群星に愚痴るところから始まる。


「ふう……」

「どうしました? Dr.G」

「いやあ、あまり言いたくはない言葉なんじゃが、やっぱり老いには勝てないもんなんじゃのう」

「随分と落ち込んでいらっしゃいますね。Dr.Gほどの御方が『老い』なんて言葉を吐くなんて、驚きです」

「そうなんじゃよ。わしはそもそも『老い』という誤魔化しの言葉なんて大嫌いなんじゃ」

「と、言いますと?」

「人間、誰しもが老いる。それは仕方の無い事じゃ。しかし、人は得てして諦める言い訳として『老い』を利用するじゃろ?」

「でも、どうしても誰でもいずれは『老い』ますよ?」

「では問うてみるが、『老い』とは何じゃと思う?」

「え? そう言われると答えに困りますね。『老い』は『老い』であるとしか言いようが無いような気がするのですが」

「わしも若い頃はそう思っておったんじゃがな、近頃わしは『老い』というものは『小さな死』であると考えるようになったんじゃよ」

「『小さな死』? って、どういうことですか?」

「『部分的な死』とか『局所的な死』とか言う表現に置き換えてみても良いと思うのじゃが、要するに、今まで機能していたものが機能しなくなってゆく、ということじゃな。例えば、指先の動きが悪くなったとか、筋力が衰えたなんていうのも『老い』ではなくて『小さな死』だと思うんじゃ」

「それは部分的に細胞数が減ったから、少し死んだ、みたいな感じに捉えた、ということですか?」

「うーん、まあそれもそうなんじゃが、もうちょっと掘り下げてみると、そもそも細胞が死んだ原因は何だ、って話になって、それって要するに細胞が生きていけるだけの環境を維持できなかったから死んでしまったわけじゃろう? 必要な栄養素や酸素などを十分に届けることが出来ずに、また老廃物の回収が不十分になることも細胞の活動には致命的になり得るじゃろ」

「循環不足ってことですか」

「必要な栄養素等の摂取が不足していたら循環が足りていてもダメだし、栄養が十分でも循環がダメならダメよな」

「でも、それって要するに心臓の『老い』では?」

「心臓が関与する循環は血液だけであって、他にも循環する体液はあるんじゃよ、例えばリンパとかな。それに、元より人間の身体なんて完全な分化も完全な役割分担も出来ているわけじゃないから、話を血液に限ったとしても、心臓だけで循環の全てが十分に機能するようには出来ておらんのじゃよ。特に全ての末端の毛細血管の血流まで心臓一個で十分に回せる、なんてわけが無かろう? 若いうちは身体が良く動くから、意識しなくても随所の筋肉の動きが血流を補助してくれている。じゃが、年を取るとだんだん動かなくなってくるじゃろ? 心臓だけに循環を頼っていては全く不十分なのだということに気付くことも無く」

「ええ、確かに、血行と言えば心臓、って単純に当て嵌めてそれで終わりにしてしまいがちかも」

「すると小さな壊死があちこちで起き始めて衰える。世間一般的にはこれを『老い』と言って諦めてしまうわけじゃが……」

「意識してきちんと循環させれば防げる、と?」

「もちろん、限度はあるんじゃがな。でも、わしみたいな歳になって来ると、『寝てれば治る』なんて夢物語なんじゃよ。『安静』にしてたらそれこそ衰えていくだけじゃ。だから、細胞が生きていくために必要なモノをきちんと摂取して隅々まできちんと届ける、ってことをちゃんとやっていけたら、『老い』と言って諦めてしまう『小さな死』の多くは回避できるんじゃないかと思っておるんじゃが」

「そう言えば、Dr.G、このところ少し身体ががっしりして来た感じがしますね」

「これは単に筋トレをしたとか、そういうのじゃなくて、末端まで極力壊死させない、『小さな死』を起こさせない、っていう意識で動いた結果なんじゃがな……」

「きちんと成果が出ているようじゃないですか。それで何で落ち込んでいるんです?」

「結局、頑張ってもプラマイゼロまで持って行けることは無くて、やっぱりじわじわと疲れ易くなったり頑張りが利かなくなったりしてどうしても『老い』を無くすところまでは改善できないんじゃなあ、と」

「そうなんですか……」

「毎日ヤってると、どうしてもイキ辛くなって来てしまうのは、どう頑張っても避けられないようになって来てしもうたわい」

「結局、そこに行き着くんですね、Dr.G」

「大事よ、コレは。『老い』や『小さな死』の問題だけじゃなくて、精神衛生上もホルモンバランスも、生きがいにもなるし生活にハリとツヤと潤いを与えてくれるんじゃから。あの、蔵木さんを見たら理解かるじゃろ?」

「あ、確かに」


Dr.G、今なんか私の事を呼びました?」

 呼ばれたような気がした蔵木はさらっと流れるようにスムーズに話に加わって来た。


「ん。実は蔵木さんにチャレンジしてみて欲しいことがありましてのぉ」

「え!? 『実験台』とか『モルモット』とかじゃなくて『チャレンジ』なんて言葉をDr.Gが選択するだなんて、なんておぞましい! ひょっとして私の命日は今日ですか?」

「ツッコミどころがそこですかぃ。ってか、わしの言う『チャレンジ』が何で蔵木さんの中でそんな恐ろしい認識になっているんじゃ?」

「だってだって、数々の無茶苦茶な実験でも『チャレンジ』なんて言葉を使ったことなんて過去に一度もなかったじゃないですか。あの4リットルだって」

(※作者注:蔵木がG博士の研究の実験台となった最初の出会いで、蔵木は4リットルほど射精させられています。(訳あり))

「あああ、あれはわしの人生最大の失敗であり失策であって、蔵木さん本当にゴメンて。あれはわしにとっても無謀の極みであって実験の領域を遥かに逸脱してしまっておる。それに、『チャレンジ』と言っても蔵木さんならもしかしたら楽々こなせる、いやそれどころか、既に実体験済の可能性すらある程度のもんじゃよ」


 大柄な蔵木が優しくも困ったような表情を見せる。

 蔵木はいつもG博士に無理難題を吹っ掛けられて度々困惑する表情を見せるのだが、結局なんだかんだ斜め上の方向に成果を収めてくれるため、この表情はG博士にとっては頼りがいのある頼もしい表情として映っているのだ。

「うーん、取り敢えず、話だけはお伺いしてみましょうか」


「うむ。蔵木さんは『連続絶頂』いわゆる、1回絶頂した後間髪入れずに連続して絶頂することは可能ですよな? 本来ならば時間軸として離散するはずの絶頂を、1つの絶頂が終えるかどうかといったタイミングで次の絶頂を引き起こすことが出来る」

「あ、ええ、体調が良くて興奮度合いが高ければそんなふうになることもありますね」

「そして、アヌスでの性的刺激により絶頂に至っている最中にペニスでの性的刺激による絶頂も引き起こす『複合絶頂』も可能である、と」

「あ、ええ、この前、図らずもそんな体験をしてしまって、流石にアレは自分でも吃驚びっくりしました。絶頂中に別の絶頂って起き得るものなんですね」

「うむ。なかなかに不思議なことではあるが、ここまではわしもある程度実体験が出来ているので蔵木さんとも共通認識を持って話が出来るわけなんじゃが、最近わしはもう一つ特殊な絶頂の形が出来るんじゃないかと思って、しばらく挑戦していたんじゃ」

「へぇーえ? それは一体どういうものなんですか?」

「絶頂中にもう一つ絶頂を起こすという点では『複合絶頂』と同じものなんじゃが、それを同じ部位でですな、絶頂中にさらなる絶頂を引き起こせないものかと」

「んんん、なんだろう、哲学かな? なんか精神世界とかそういう分野に入り込もうとしています、Dr.G?」

「いやいや、普通に生理学的な興味じゃよ。まず、そもそも異なる部位であれば多少の時間差こそあれど一つの絶頂がまだ続いているという感覚の中で別の部位でも絶頂を起こせて2箇所で絶頂していることを認識できるわけじゃないですか。そして、連続絶頂では絶頂が終わり切ってしまう前に次の絶頂を引き起こす。こんなことも男盛りであればやってやれない事ではないわけじゃ。だとすると、この連続絶頂の2つの絶頂の間隔を縮めていくことが出来れば、やがてその最小の時間間隔はゼロに……なんてところまですると仮に出来たところで人間の感覚で認識できるか怪しいのでそこを詰める気は無いのじゃが、前の絶頂がより高いレベルにあるときに次の絶頂を連続で引き起こすことが出来れば、それは前の絶頂に積み増しをしたかのような、いわゆる『連続絶頂』という表現から『重畳ちょうじょう絶頂』とでも名付けられそうな絶頂の形が出来るのではないか? と、そう仮説を立てたのじゃ」

Dr.G、なんだかんだ言ってかなりハイレベルなお話になっていると思いますよ。だって、絶頂が長引いて射精が長引く、というのともまた異なる感覚になるってことなんですよね。絶頂中にさらなる絶頂とか」

「うむ、わしもなんか『もう一息でなんか起こりそう』ってところまでは踏ん張れたんじゃがな、最近精力が落ちてしまったせいか、その領域に近付くどころかだんだん離れて来てしまってのぉ」

「それで私に『チャレンジ』してみて欲しい、というわけなんですね」

「そうなんじゃ」


(こちらは体験版です)

第2章 初チャレンジ


(こちらは体験版です)

第3章 新しい扉は開けるか


(こちらは体験版です)

第4章 アフレコ


(こちらは体験版です)


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重畳絶頂

ExEcstacy


OpusNo.Novel-088
ReleaseDate2024-02-22
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
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(こちらは体験版です)

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