肉球ぷにぷにパブ 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 学業に部活に邁進するつもりだった俺の大学生活は入学早々に破綻し掛けた。

 時間と金銭の圧倒的不足。

 目の前に立ちはだかる大問題に思わず進路選択ミスという考えすら浮かんで来てしまうほどだったが、恐らく同じような問題に直面し、そして、何とかやり繰りして解決できているのであろう先輩から有り難いバイト先の紹介をいただいた。


『肉球ぷにぷにパブ』


 その当時、まだ初心うぶだった俺はてっきり猫カフェのバイトかと思っていたのだが、それにしては猫カフェのバイト程度(失礼)で時間と金銭の問題が寛解するなんてとても不思議に思ったし、また、厳しい面接があるとも聞いた。

 しかし、背に腹は代えられず、藁をも掴む思いで向かったその先は、猫一匹居ない、ちょっと怪しく、ちょっとエッチで、俺の生活と価値観を一変させた、学業と部活を両立させるのに欠かせない貴重なバイト先となった。


 あと、A5ランクって言われた。


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

肉球ぷにぷにパブ

奥付

肉球ぷにぷにパブ

『肉球ぷにぷにパブ』

 ……学業と部活の両立に困難を極めていた俺に救いの手を差し伸べてくれた先輩が紹介してくれたバイト先だ。


 学業と部活の両立に困難を極めて……なんてさも苦労しているかのような言い回しだが、実は入学してまだ一月も経っていない。

 見通しが甘かったのは重々承知。

 若さで押し通せるなんて無理も良いところだ。

 しかし、予想の予想以上に現実は厳しかった。


 時間と金が圧倒的に足りない。

 時間は学業と部活、双方の活動に支障が出る。

 金は長期的にはもちろん学業にも影響が出るが、とにかくまず先に部活動に支障が出る。

 学業と部活の両立以前に、時間と金が両立しないと話にならない。


 一瞬、スポーツ推薦を受けた方が良かったんじゃなかっただろうか、と頭を過る。

 少なくとも時間と金の問題は遥かに小さく出来ていたのだろうなあ、と予測する。

 だが、それでは俺がやりたかった学業が出来ない。

 俺はわざわざ好待遇が約束されていた推薦を蹴って、普通に国公立大を受験した。


 学業を切り捨てたくなくて選んだ選択だったのだが、時間と金の問題が契約必須オプションとして付き纏って来た。

 『必須オプション』てなんだよ。詐欺サービスじゃねえんだからよ。良くこんなクソみたいなワード思い付くよな、大人の社会ってやつは。

 なんて愚痴っている余裕も無い。

 下手したら、両立どころか、学業も部活も共倒れになってしまう。

 いや、しかし、部活を諦めればまだなんとか……?

 って、何考えてんだ&何やってんだ俺は。

 なんのために大学に来たのか、その意味が早くも分からなくなり掛け……ていた。


「お前になら紹介してやっても良いと思ってよぉ」

 先輩は俺の可能性を買って、また、俺が直面する困難に大きな理解を示してもくれていた。

 要は恐らく、『あるある』なんだろう。

 苦学生あるある。


 特にこの部活は活動費云々も然ることながら、肉体の維持に異様に金が掛かる。

 費用対効果を考えてコスパの良い食材を選ぶなんてことは当たり前のようにやっていて、しかし、それでも全然足らないのだ。

 同じ部の先輩ともなれば、その辺の苦労は手に取るように分かるのであろう。


 それにしても『肉球ぷにぷにパブ』、……猫カフェだろ?

 猫カフェのバイトってそんなに儲かるのか?

 いや、俺、猫の扱いにはそこそこ慣れているつもりだから、結構デキる気でいるけど?

 しかし、なかなかに厳しい採用面接があるのだと言う。

 圧迫面接とかされんのかな?

 詳しい内容までは教えてくれなかったんだよね。自分の目で見て自分で判断しろ、って言われた。


 しかし、背に腹は代えられない。

 少しでも条件の良いバイトにありつけないと、絶対にこの先行き詰まる。

 俺は藁をも掴む思いで、先輩の提案に賭けてみることにした。

 取り敢えず紹介だけはしてもらって、とりあえず面接はしてもらえることになって、俺は指定の場所へと赴いた。




 出迎えてくれたのは下手したら俺よりもガタいの良いおっさん、失礼、お兄さん? 兄貴? だった。

 あれ? イメージしてたのと全然違うんだけど?

 エプロン付けた小柄なお姉さんとかがまったりとキャッキャウフフしているのを勝手に想像してしまっていたのだが、待てよ? 全然そこまで考えが至ってなかったのだが、だとしたら俺がココで出来る仕事って何だ? って話になるよな。

 もしかして、用心棒的な? いやしかし、猫カフェでそんな仕事必要か?

 仮に必要だとしても、この人ひとりで十分じゃ? 俺まで必要になる理由がさっぱり分かんねえよ?


「高給は約束してやる。だが、この仕事は適性が無いと出来ないもんでな。その適性を今から試させてもらう」

「猫の扱いならそこそこ出来ると思いますよ?」

「何言ってんだ?」

「いや、猫カフェですよね、ここ?」

「う~ん、猫と言えば猫かもしれないが、ここに本物の猫は一匹もいないな」

「へ? どういうことです?」

お前が猫になるんだよ!

 ドーンっ!


(こちらは体験版です)


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肉球ぷにぷにパブ


OpusNo.Novel-086
ReleaseDate2022-08-02
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

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(こちらは体験版です)

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