強いわデブ剛岩 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 剛岩……。ごつそうな名前をしているがブヨンブヨンの駄デブ。

 でも、不思議なことに奇跡的に精力と性欲がマジで強い。

 見た目おっさんだか若者だか判断に迷うような中途半端な無精髭とスポーツ刈り放置のボサボサヘアー。

 駄デブだけど、肉はまだそんなに垂れてる感じはしないから、思ったよりも若いのかな? 強いし。


 ニートだっつうのに高額な部類のウチの店に連日予約を入れてくる不思議ちゃん。

 ノンケだっつうのに男の中でも『流石のガタイのタイガちゃん』と言われる見た目は漢寄りのアタイを連日指名してくる不思議ちゃん。


 それもこれも、アタイが毎回尻イキで射精してしまったせいなんだろうけど、アタイに言わせれば客商売でそんなんまでさせられるのって間違いなく客側であるアンタのせいなんだから! って言いたいとこなんだけど……

 なんか知らんけどコイツには何故か勝てないのよ、いつも、いろいろと。

 マジでなんなん!? コイツっ!


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

強いわデブ剛岩

奥付

強いわデブ剛岩

「ちょっと待ってヤダ何それ本気で言ってんのアンタ冗談キツいわよ!?

 予約表を見たアタイは思わずホゲた。割りといつでもホゲてるけど。


 いやいやいや、これがホゲずにいられますかい!?

 『剛岩』・『剛岩』・『剛岩』・『剛岩』・『剛岩』……

 予約カレンダーにびっちりと並んで埋まる『剛岩』の羅列。

 機械相手に思わず声を出してツッコンでしまったのも無理もないワタシ。


 ってか、これは流石にバグかイタズラでしょ!?

 速攻でテンチョ(店長)に確認したら、

「こっちだってちょ~ビックラこいて何度も聞き返したワよ。マジでマジもんよ。あいつ色んなところがぶっ飛んでんワ。さすが剛岩ツヨイワ~」

 テンチョの方がもっとホゲてた。ってか昭和の香りまで漂わせてた。本場のバブルのホゲだわ。バブルホゲ。


 いやそっかマジでかーー。マジでか~~~!?

 あのお堅い紳士な店長がホゲてるとこ初めて見た。

 って、そこじゃなくて連日の『剛岩』。

 商売としてはこっちは助かるけど、いやでも他のリピーター様に付け入る隙きすら与えないのはちょっとマイナスかも。

 でも短期的にはこれ以上無い利益が出るしなぁ。リスクも減るっちゃあ減るし。

 ってかその前にアタイの身が持つか心配っ。


 こう見えてもアタイはいわゆるアングラの高級娼婦もとい高級娼夫なわけで。

 きちっとしたお客様を相手にリアルガチでご接待するお仕事をしております。

 『きちっと』って言っても病気持ってないことと金払いがちゃんとしていること、無茶とか犯罪とかしてこないこと以外は不問なんだけどね。

 そういう意味では『剛岩』も立派な上客。

 こっちがどうこう文句を言うような相手では無い。


 んだけど、あいつ確かニートちゃうかったっけ?

 しかも、ノンケやろ?

 あいつ『ノンケ』って言葉知らんかってんで?

 ほんまもんのノンケは『ノンケ』なんて言葉知らんねん。

 ノンケの気まぐれで1回経験してみただけ、って客だったはずなのにいったいどうした?


 ほんの1回限りのはずが、もう1回来て、もう1回来て、んでこのアリサマや。

 アタイにハマってくれたんなら喜ぶべきなんだろうけど、アタイはアイツちょっと苦手やねん。

 だって……




「ふふふ……フヒヒヒ……来たでえ?」

「い、いらっしゃいませ。ご、指名ありがとう御座います……」

「お~おぉ、どんな客にもにっこり営業スマイル。従業員は辛い~ぃい~、ってか?」

 くっそこのやろ、初っ端からムカつくっ。

「もっと本性現しても良いんやで? ほんまはイヤなんやろ?」

 キッ! こぉんのクソデブ性欲ぶっ壊れニートが!

 仕事を忘れて、思わず本意気で嫌悪感たっぷりに睨み付けてしまいましたわ。


「そうそう、その顔! その顔しながらイクんねんな、あ?」

 突然カーーーーっと、アタイの顔がボーボーに燃え上がって、火を噴いた。

「心配せんでも、みっちみちに詰め込んで、オレの精子以外なんも無いってくらいオレ専用のおまんこに染め上げたるさかいな?」

「あ、あああ、アンタ何それ腹立つ、こっちは仕事でもなきゃアンタなんかに……」

「仕事なのに、射精しちゃって良いの~?」

 クソっ。図星なだけに何も言えねえ!


「普通、営業だったらイク振りだけだもんな。なのに、タイガちゃんたらすっごいイヤそうな顔しながら本当に射精してイッちゃうんだもん」

「そっそれはアンタが!」

「オレのことタイプ? ひょっとして」

 がーーーーッと、さらに頭に血が上ってアタイは訳分かんなくなった。


「んなわけあるかあ! このクソデブ肉豚無駄巨根無駄精力バカ無駄精子製造マシンがあ!」

「タイガちゃんはそういうのが好きかあ」

 アタイは我を失ってたけど、流石にその一言で目が覚めた。目は覚めた。血は上りっ放しだったけど。


「そ、そそそそんなことあるわけないじゃない? アタイはちゃんとした容姿端麗で紳士な殿方がタイプなの!」

「ふぅん。まあ理想と現実が違うことは良くある……」

「なんかアンタ勘違いしてない? だいたいアタイがアンタみたいな贅肉だらけの駄デブの癖に何故かやたらと性欲と精力だけは強くって日常の動作すら体重重過ぎて覚束ないってのにセックスだけは無茶苦茶頑張れるなんてワケ分かんない奴なんかをイケる訳が無いやんけ、っつう話よ!」

「でもタイガちゃん、オレでイッたよね? 前回も、前々回も、初めてのときも」

「そ、そそそれは一時の気の迷いというか偶々というか偶然というか……」

「そんな簡単にイケるもんなの? 男の尻って」

「いや、流石に竿扱いてイクほど簡単じゃない……、って何真っ当に返答してんだアタイは……?」

「他の客でもイッてんの? タイガちゃんは」

「イクわけねえだろ! 客商売でいちいちイッてたら身が持たんわ!」

 ハッ! ひょっとして今アタイ、語るに落ちた!? ねえ、落ちた!!?

「やっぱ、オレのことイケんじゃん、タイガちゃんは」


 なんかね、もうね、いろいろとね、我慢がならないのよアタイは。

「よおし、このブタ野郎、ちょっとそこに正座しろ。今日という今日はきっちりみっちりとお説教してやる」

「お? おしゃべりの時間を引き伸ばして何とかやり過ごそうって魂胆かな? 風俗あるある」

「くっそ畜生! こちとらこれでもプライド持って客商売やってんだよ! おら、さっさとおっぱじめるぞ、このブタ野郎!!

 完・全・敗・北……



(こちらは体験版です)


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強いわデブ剛岩


OpusNo.Novel-083
ReleaseDate2022-12-01
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
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(こちらは体験版です)

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