成人式二次会 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
成人式が終わった直後、驚愕の事実が判明した。
何かにつけてバカでかい柔道部の雄であり新成人である『
誰よりも成長が早く、誰も追い付けないほど大きく成長した豪雄が、よりにもよって成人式を迎えた今日においてまだ性感を契機とした射精を知らないとは……。
仲の良い同僚たちは緊急で示し合わせて豪雄の初射精を手伝うという成人式の二次会を企画立案した。
が、誰よりも雄として成長している豪雄が射精未経験であるのにはそれだけの理由があった。
たった一扱きで微動だに出来なくなってしまう豪雄と豪雄の手。
豪雄の初射精を手伝うと決めた同僚たちは次々に手を伸ばし、動かせなくなった豪雄の手ごと全員で握って扱いて豪雄を初射精へと導いてやるのだった。
「ぉ、ぉぃ。……嘘だろ?」
成人式終わりの会場で、一部の集団にざわめきが起こった。
「ぃゃ、……ほ、本当だ……」
その集団の中で頭一つ、高さ的にもそうだが存在感というか顔の大きさ的にも図抜けた印象のゴツい新成人が一人。
ただでさえ目立つ、大きな頭のスポーツ刈りの隙間から覗く皮膚の色までが真っ赤に発熱していた。
その集団は、集団ではあったが、一旦その巨大男とその他全員とに二分され、その他全員は少し腰を屈めて陣形を組んで小声で相談し始めたものだから、一人直立したまま静かに恥じらい燃え盛っている巨大男がぽつんと余計に目立つという形になってしまっていた。
やがて、巨大男に背を向けつつもあまり離れないように陣形を組んでいた面々は、
「決まりだな」
と呟き頷くと、一斉に巨大男の方に向き直った。
「
「へ? ……っと?」
「良いから行くぞ!」
みんなが豪雄の手を引っ張ったり、後ろから押したりして促す。
「ど、何処へ行くんだ?」
「保健室、だ!」
巨大男を取り囲みながらぎっこんばったんぎこちなく移動してゆく集団の中から一人が離れて、会場隅にいた大人に話し掛けている。
話を聞いていた大人はうんうんと頷くと、その集団について来るようになった。
成人の年齢が引き下げられたことにより、豪雄が住む町の成人式は卒業式よりも先に行われるようになった。
そのため、成人式には当該学校の教師たちも何人か同席していたのだ。
というより、そもそもこの成人式そのものが学校の体育館で行われていた。
集団について行った大人は学校の保健室の鍵を管理できる権限を持つ体育教師だった。
集団が保健室の前まで来ると、先生が保健室の鍵を開けてくれる。
巨大男、豪雄が保健室に連れ込まれた。
体育教師は最後に保健室に入ると静かにその扉を閉めて、生徒たちの成り行きを見守っていた。
「豪雄、今から俺たちが豪雄の初射精を手伝ってやる」
わけも分からず連れて来られた豪雄は、想定外な言葉を投げ掛けられてさらに混乱して豪雄らしからぬ反応の悪さを露呈した。
そして、その後にようやく、その言葉の意味を理解して驚く。
「……ぉ、なにいいいいっ!?」
「今日は成人式だ。そして豪雄、豪雄の成人式でもあるし、豪雄も成人式だ」
「そ、そんなこと言ってもだな……」
「恥ずかしがらなくても良いんだぞ、豪雄」
「い、いや、恥ずかしい、だけじゃなくて、だな、その……」
「その……?」
豪雄は少し顔を
「実を言うと俺、こ、怖いん、だ」
「怖い? そっか、それで豪雄は今まで自分で射精するところまでは出来なかったというわけなんだな?」
「ううっ、そ、そうだぁ……」
すると、保健室出入り口すぐ傍の隅から見守っていた体育教師が口を挟んだ。
「
「う、うっす……」
魂太の部活の顧問でもある体育教師の言葉は部活での指導と同じく魂太にとって信頼するに足る言葉だった。
「そうだぞ。それに、オレたちは経験者だ。>プロ並みだぜえ?< 怖くないように豪雄を導いてやる。>そうだそうだ、まっかせろぅ!<」
理解ある良き友人たちに恵まれて、新成人『
「わ、分かったみんな。よ、よろしく頼む」
とはいえ、恥ずかしさと緊張で、頭のてっぺんの頭皮はもちろんのこと、耳の先っぽまで真っ赤っかに燃え上がってしまっていた豪雄だった。
(こちらは体験版です)
成人式二次会
OpusNo. | Novel-082 |
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ReleaseDate | 2022-08-23 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
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(こちらは体験版です)