ED遅漏遺精矯正装置 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
男性性機能に関する研究と男性のエロスを追求するG博士がついにエロスとは真逆の方向の研究開発に手を染めた!?
その研究とはなんと、ED・遅漏・遺精に矯正する、というものだった。
え? 助詞が間違っている?
いや、これで正しいのだ。
ED・遅漏・遺精を矯正して治すのではなく、正常に機能している男性を強制的にED・遅漏・遺精へと矯正してしまう。そんな研究なのである。
言うなれば、『矯正』という言葉遣いが間違っていたと言えるかもしれない。
しかし、物の見方を変えれば、その矯正を適用する相手如何によっては、『矯正』という言葉で正しいとも言えるのだ。
今回はそんな研究の初期実験をED・遅漏・遺精とは全く縁遠い性のスーパーマンであるG博士の助手が被験した。
短期実験のため、遅漏や遺精の癖が定着してしまうことはないだろうが、またも第一被験者となってしまった蔵木は萎えたまま射精に至らされるその心地悪さに直面することになるであろう。
【主な登場人物】
「ときに、諸君! もし、自分が勃起出来なくなってしまったら、どう思うかね?」
「「え? ……」」
G博士が、側近の助手でかつ肉体的にも性的にもスーパーマンである蔵木と群星に唐突に問い掛けると、二人とも絶句してしまった。
これまでも二人が絶句するケースはたびたびあったかと思うが、今回の絶句は少々内容が異なる。
なにせ、G博士といえば、男性の性機能研究のエキスパートであり、男性のエロを追求するスケベオヤジの第一人者である。
そんな人物から『勃起出来ない』ということを話題として振られる、なんてことは、通常ならばとても考えられない、本当に本当にあり得ない話なのだ。
特に、常日頃からG博士の研究の実験台となり、過去には特別な処置を受けて部分的に肉体改造まで受けたこともある二人からすると、『勃起が収まらなくなる』話ならまだしも『勃起出来ない』なんて話は天変地異に相当するほどの耳を疑う言葉だった。
「あの、今、何ておっしゃいました?」
蔵木は自分の耳を疑い、聞き間違いであるかも、と再確認しようとし、
「Dr.G、まさか、……御愁傷様です」
群星は早々に事態を受け入れて遺憾の意を表した。
「いや、あの、二人とも何を好き勝手に話を先回りしておるんじゃ。特に群星さん、顔面蒼白にまでなっとるがの、考え過ぎですぞ」
「だって、あの、あのDr.Gがインポ(テンツ)になるだなんて、世界の終わりですよ!」
「群星さん落ち着いて。この間、機械線蟲を仕込んだときに、Dr.Gが元気だったところを我々は見ているじゃないですか」
「そ、それだ、それですよ蔵木さん。それで、機械線蟲をきっかけに勃たなくなっちゃったんだ」
「だぁから、違う、って言ってんのに、ちゃんと話を聞いてくださいよ、群星さん」
「そ、それじゃあ、一応確認しておきますけど、Dr.Gが勃起出来なくなった、という話では、ないんですね?」
「当たり前じゃあ。わしゃあ、まだまだ現役ですぞぃ」
「なあんだ」
「む、群星さん? 群星さん!? い、今、『なあんだ』って、言いませんでした? 言いませんでした??」
「まあまあ、Dr.G。長いお付き合いの中で信頼関係がより深まったからこそ言える冗談ですよ」
と、蔵木はフォローに入ったが、
「あの、老いてなお盛んなDr.Gが、闇の男性性機能研究のトップランナーが機能不全とかなったら、面白そうだなあ、って思ったんですけどね」
群星はまだG博士をおちょくっていた。
「そりゃ、医者だって病気にはなるんじゃから、性機能研究者が機能不全になってもおかしくはないんじゃが、もし、わしが本当にそうなったら、下手したらお二人とも食いっぱぐれますぞ」
「やっぱり、研究出来なくなりますか?」
「やる気が無くなる可能性は充分にあるの」
「そ、それじゃあ、あと数年くらいは持つようにお祈りします」
群星は相変わらずふざけた感じで手を合わせて拝んだ。
「群星さんは現金じゃの」
「で、話を元に戻して、お二人とも至極健康体で勃起には何一つ不自由していないと思うが、もし今、全く勃起出来なくなってしまったとしたら、どうじゃね?」
「うーん、想像つかないなあ」
群星は首を捻り天を見上げ、蔵木はより詳細な条件をG博士に確認した。
「あの、性欲とか精力が落ちて勃起出来なくなる、ってことですか? それとも、性欲・精力はそのままで勃起だけ出来ない……?」
「後者じゃな。今の元気そのままで、勃起だけが出来ない」
「「ん~な~ああ~~」」
蔵木と群星が揃って苦悩の声を上げ出した。
「あり得ない!」
「想像しただけで地獄ですよ、Dr.G。変なこと聞かないでくださいよ」
二人とも不快感を思いっきり
「耐え難いほどの苦痛かね?」
「当たり前です。元気なのに勃起出来ないんじゃ、射精もままならないし、下手したら快感も無くなるんですよね」
「まあ、不自由にはなるのお」
「「うわ~~あああ~~~」」
二人とも頭を抱えてもんどり打った。
「あぁ、やはり効果てきめんみたいじゃの。効いとる効いとる」
「そりゃあそうですよ、Dr.G。やる気そのものが無くなったら出来なくなっても気にも止めませんけど、やる気はあるのに出来ないとか生き地獄じゃないですか」
「想像するだけでストレスが溜まる」
G博士が苦笑いをしながら頬っぺたをぽりぽりと掻いた。
「あはははは、まあ、今回はその、そういう方向の研究開発なんじゃ」
「「ええっ!!」」
二人は大袈裟に飛び跳ねて、矢継ぎ早に抗議を開始した。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ。今まで散々、精液を無理やり大量に作らせたり」(群星にタッチ)
「精子の製造能力を拡大するために金玉50倍にしたり」(蔵木にタッチ)
「射精妨害しながら延々と快感を
「尿道に薬物仕込んでやたらと気持ち良く射精させたりしてきたようなお人が」(蔵木にタッチ)
「よりにもよって、勃起させないとか」
「「冗談がキツ過ぎます!」」
が、G博士もこれだけの抗議を受けてもなお全く態度を変えずに聞き流しており、どうやら冗談抜きに本当に真面目な研究らしい。
「いや、これが割と有用なアイデアでしてな。もちもん、従来どおり特殊な拷問の一形態としても使えるものでもあるのじゃが、その、勃起しちゃいけないような人達に適用するという使い道もあってじゃな」
蔵木がいち早く勘付く。
「! 性犯罪者用ってことですか!?」
「もちろん、人権問題みたいなものにも絡んでくるのでそう簡単に執行できるようになるとは思えんのじゃが、いうなれば現代版の去勢ですよな。物理的に切り取るという野蛮なことはしないけれども、役に立たないように矯正してしまおう、という。で、今回はそのプロトタイプの実験をじゃな」
「パス!」「パス!!」
蔵木も群星も、G博士が全てを言う前に全力で拒絶した。
「お二人とも物凄い嫌がりようですな。実験そのものは短期間で済ませ、後遺症も長引かせないように気を付けますんで、ここはどうか協力してやってはもらえませんかの?」
「Dr.Gがまずご自身でやられてみてはいかがでしょう。この前の『機械線蟲』みたいに消化不良な結果になっても
「あぁ、わしがやるとな、そのまま勃起不全が定着してしまう恐れがあるので怖くてできないんじゃ」
「枯れかけじゃないですか、Dr.G」
「うっさいわ。あんたらも幾ら常人の数十倍の精力誇っているからと言って、あと数十年したらわしと同じようになるかもしれんのじゃぞ! 数日溜めても『出したくて堪らない』とはならずに、出すことそのものを忘れてしまう身体になるんじゃぞ」
「そうはおっしゃられても、私達だって勃起不全になるのは嫌ですよ」
「お二人なら一時的な現象で済むから。それに、お二人の日常業務である
「うっわあ、すっごいヤダ」
「もう、嫌な思いをする、って言い切っちゃってるじゃないですか」
「リハビリの期間も充分に与えますし、勃起強化の仕組みも考えとくから」
「えー、それ聞いても全然やる気にならない~」
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
ED遅漏遺精矯正装置
OpusNo. | Novel-076 |
---|---|
ReleaseDate | 2021-07-18 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
個人で楽しんでいただく作品です。
個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
共有、アップロード等はしないでください。
(こちらは体験版です)