性を売る王様 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
※ストーリーそのものは完全に単独のものとなっておりますので、他の作品を知らなくてもお楽しみいただけます。
他国から無いのも同然との扱いを受ける辺境の北国、貧しい弱小国家キョクマの若き国王イヌカイは少しでも国民に豊かさをとの思いから他国へ援助を乞う訪問行脚を敢行した。
当然のように次から次へと交渉に敗れていく、そんな中、隣国グマーンの王子バンドウからイヌカイ個人宛ての密書が届く。
イヌカイの秘めたる能力を察知したバンドウはその能力を生かした商売をすることで援助と同等の資金を得られることを提案。
イヌカイは自国の民には内緒で週に一度、グマーン国で働くことになった。
秘めたる能力とはその容姿や体格も含めて『神の祝福』とも言えるレベルの性関連の能力、特に子種の質と量にあった。
イヌカイは自身の性を物として売り、視覚として売り、触覚として売る。
そうして得た賃金は秘密裏のうちに国で一番となり、イヌカイの淫棒はこっそりキョクマ国一の稼ぎ頭となるのだった。
【主な登場人物】
【目次】
「では、行ってくる」
「白熊王、どうかお気をつけて」
私は辺境の北国、キョクマの王、イヌカイと申す。
国王といっても、極小さく貧しい国の一介の主、そして、まだ若輩者である。
こんな弱小国家がなぜ生き残っているのかというと、我が国の領土は攻め入るに値しない、と、どの国も判断しているからである。
資源にも乏しければ、気候も一年を通して日当たりが悪く、土地も痩せていて作物も上手く育たない。
占領したところで、得られるものが何も無いのである。
一方、国民の数も少なく、おとなしい性格の民族である我々が、豊かさ、あるいは楽に暮らせる土地を目指してどこかへ侵攻したりする、ということも無い。
そもそも、軍事をどうこうできるほどの国力が無い。
すなわち、放って置いても害が無いため、他国からすると、この国とこの土地は、無いのと同じ扱いになる。
そんな国で、せめてもうひとかけらの幸せを国民に分け与えたい、と、私は近隣の国に援助を求めに行った。
ただ、こちらから差し出せる対価があまりに乏しくて、交渉は門前払いに近いものとなり、……そうだった。
今、私は週に一度、隣国グマーンへ物資の調達に出掛けている。
グマーン国は私のために専用の旅の扉を設置してくれて、そのお陰で、私はグマーンへの行き来に時間を掛けることなく移動できるようになり、こうして、週に一度の買い出しができるようになった。
ただ、この貧しい国で、例え国王であろうとも潤沢な資金というものは持ち得ていない。
私がグマーンへ出向くときは、物資運搬のためのコンテナ以外は手ぶらで出掛けることになる。
資金は、私が現地で働いて調達するのだ。
国民にはもちろんのこと、側近にもこの仕事のことは内緒である。
他の者は皆、私がさも交渉上手な人間であると思い込んでいる。
そんなわけがない。
申し訳無いことだが、私にそんな能力が有るのならば、この国はもっと豊かになっているはずなのだ。
第一、援助を求めに近隣諸国を巡ったときにだって、側近の人間達は私が無様に交渉に敗れていくところを何度も見てきたはずなのだ。
ただ、その後、私個人宛てにとある通知が来て、急に援助を受けられるようになった。
それを、私の能力による成果であると、どうやら民は思っているらしいのだ。
本当は援助を受けているその場面を、側近の一人でも連れて行って見せてやれば、別に私に優れた交渉能力があるわけではない、ということが嫌でも分かるはずなのだが、どうしても私はその場面を見せることができないのだ。
いや、見られたくない。
我が国の民の、誰一人にも。
旅の扉は私しか使えないようになっている。
いや、そうしてもらったのだ。
側近を付けることができない言い訳にするために。
そうして、今日も一人、私は旅立つ。
たった一人で隣国へ赴き、帰って来たときには多くの物資を抱えている、とあれば、どうしても私は英雄視されてしまう。
それも、毎週必ず戦果を得てくるものだから、なおさらである。
でも、本当はそんなんではないのだ。
決して、そんな格好良いものではないのだ。
だが、それを私の口からはとても言えるものでもないのだ。
そんな歯痒さを感じながら、いつも私はこの旅の扉を
(こちらは体験版です)
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性を売る王様
白熊が見た淫夢 3
OpusNo. | Novel-070 |
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ReleaseDate | 2020-09-30 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
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(こちらは体験版です)