機械線蟲 -Nanotechnology- 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 依頼や仕事ばかりでなく、趣味としても研究をすることがあるG博士。

 そんなG博士が趣味で機械線蟲を作り上げた。

 趣味とはいえ、最先端の技術を惜しみなく注入した多機能な自律型半軟体小型ロボットである。


 やたらと細長い、ミミズの親分のような形のこのロボットで、G博士はいったいどんなことをするつもりなのか。

 G博士は完成した機械線蟲をこっそりと群星だけに見せ、蔵木には隠したままで突発ドッキリ実験を敢行した。


 性的な実験を拘束された状態で行われる『人体実験牢』で、重厚な拘束椅子に一人括り付けられた蔵木の豪勢な裸体に突然、機械線蟲が落とされる。


【主な登場人物】





【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 趣味で作り上げた

第2章 機械線蟲で

第3章 尿道侵略して

第4章 前立腺を内側から

第5章 責め立てる!?

奥付

第1章 趣味で作り上げた

「ほっほ♪」

 G博士は独り、楽しげな声を上げた。

 G博士の仕事場には側近の助手であり、貴重な検体の生産者であり、性を含めた身体能力のスーパーマンであり、人体実験の被験者である蔵木と群星が居るのだが、G博士は仕事の時間の全てを二人とともに過ごしているわけではない。

 それは前回、『男性用妊娠補助薬』などという物を二人が知らないうちにいつの間にか作り上げていたことからも分かることであろう。


 G博士はたまにこうして、他に誰も居ないG博士専用の個室に籠もることがある。

 そして、よく仕事をさぼ(うわっなにをdp……うぅ)、ま、稀に仕事としてではなく、個人的な趣味として研究をすることがある。


 G博士は密かに作り上げた成果物を手のひらから袖の中へと潜ませて、そっと個室の扉を開いてみた。

 G博士にとってはパブリックスペースである仕事場では、群星が何やらデータの整理をしており、しかし、蔵木の姿は見当たらなかった。

 G博士は無言のままそっと群星を手招きするポーズを取ってみた。

 何を察したのか、PCに向かっていたはずの群星はふと顔を上げて、ちょうどG博士の手招きを視界の中に収めていた。


 群星が静かにG博士の元へと近付いて行くと、

「蔵木さんは?」

 まずは小声で、G博士は群星に蔵木の所在を確認しようとした。

「多分、トイレに行っているんじゃないかと思いますよ」

 G博士は軽くニヤリと微笑んだ。


「コレ、見てみてよ」

 言われたとおりに覗き込んだ群星に、G博士は左手の手のひらを広げて見せる。

 G博士の手のひらには、ミミズのような線蟲がうにゅうにゅとうねっており、手のひらには収まりきらずにG博士の袖の中にまで繋がって伸びている。

 群星は一瞬にして15cmほど顔を引いた。


「な、なんですかコレ? 気色悪い」

 驚きながらも、声を抑えて聞いてくる群星に、G博士は『反応は上々』とばかりに満面の笑みを浮かべる。

「何、って、如何にもどこかに潜り込んで行きそうなスタイルと、どこかに潜り込んで行きたそうな動きをしておるじゃろ?」

 よく見ると、ミミズよりも光沢があり、見る角度が少しズレるだけで色味が変わって見える玉虫色、マジョーラカラーとなっており、よりキモい線蟲感を醸し出している。


 しばしG博士が飼っているペットを気味悪そうに眺めていた群星だったが、だいたいいつも群星は機転が良く利く。

 席を外している蔵木を待たずに、自分にだけ見せてきたその意味に、群星はさほどの時間を要せずに辿り着けるのだった。

 微妙なアヒル口というか、少し口をへの字にして、群星はG博士の手のひらから顔へと視線を持ち上げて行った。


「ひょっとして、これを蔵木さんに?」

「どう?」

 嬉々として聞き返してくるG博士に、『なるほど、これをねぇ』と目を丸くして感嘆していた群星だったが、群星が口を開いて回答しようとしたところで蔵木が部屋に戻って来てしまった。


 慌てて個室に引っ込むG博士。

 群星は至って平然と振り返り、さもいつものことのように普通に蔵木に問い掛けた。

「蔵木さん、Dr.Gがちょっと実験してみたいそうなんですが、蔵木さん被験できます?」

「え、今からですか?」

「ええ」

「まぁ、大丈夫、ですけど」

「それじゃあ、早速、例の実験室に向かいましょうか。Dr.Gは準備ができ次第追って来られますので、僕らは先に行ってましょう」

「え? あ、はあ。随分と急ぐんですね。何かあったんですか?」

 群星はPCなど携帯する持ち物を整理しながら、

「特に問題があるわけではないのですが、鮮度が大事なテストをしたいらしくて突発の抜き打ちになってしまいまして。済みません、突然のことで」

「あ、いえいえ。私達は毎日が被験しているようなものですから、それは構わないですし、仕方ないと思っていますが……。今日は私だけ、って感じですかね?」

「ええ、必要に応じて僕も後日被験することになるのかもしれませんが、とりあえず蔵木さんにお願いしたい、ということで」

「そうですか。ま、それもいつものことですね。それじゃあ、とりあえず私はこの身を移動するだけで良いですかね」

「はい。お願いします」

 群星もちょうど荷物がまとまったみたいだ。


 例の実験室、「HEP - Human Experimentation Prison」(訳:「人体実験牢」)はかつてまだ部外者だった頃の蔵木が、目隠しや耳栓などをされたまま連れて来られて、実験用の特製拘束椅子に首まで固定された状態でようやくその殺風景な部屋の内側だけを見ることができた門外不出の施設なのだが、G博士の側近の助手となって『射精妨害拷問』の被験をするときに初めてその所在を知り、それ以降、蔵木一人でも来ることができるようになった場所だ。


 とはいえ、

「私、あの部屋はまだちょっと苦手なんですよね」

 蔵木の足取りは重かった。


 元より体力に優れ、精力にも非常に優れていた蔵木は、G博士に変に気に入られた結果、劇薬『精液分泌過剰促進剤』を過剰投与されてしまうという重大な過失の被害に会い、急速な精液過剰分泌による内臓膨張破裂と生成エネルギー枯渇による餓死の危険に直面しながら、唯一自由にされた右手だけを頼りに総計約4リットルもの精液を射精しなければならない超危険な状況にさらされてしまったのだ。

 下手すると、射精する量よりも分泌される精液の量が上回ってしまう状況の中、必死に己を扱いた蔵木は天井に壁にぶち撒けてぶち撒けて、なんとか概ね射精しきったところでダウンした。

 また、『射精妨害拷問』の際にも、蔵木のエロチシズムに魅惑されたG博士が必要以上に蔵木を追い詰めてしまい、結果として蔵木に失禁とまたもや気絶をさせてしまっている。


 そんな激しく厳しい経験ばかりが詰まっている、あのオフホワイトと銀色だけの殺風景で不自由な世界にはなるべく足を踏み入れたくない、という気持ちは非常に頷けるものだ。


 ただ、それだけでは済まさないところが、蔵木が性的にもリアルスーパーマンであると言わしめるところで、

「どういうふうに苦手なんですか?」

 と、聞いた群星に対して、

「あの部屋に向かおうとするだけで、つい、ね、勃起しそうになっちゃうんです」

 トラウマでEDになるどころか、あれほどの目に遭っても、いやむしろあれほどの目に遭ったからこそなのか、ともかく、勃起しそうになるとか強者もいいところである。


 群星と蔵木の二人で先に『人体実験牢』の手前の部屋まで来たところで、

「僕は監視室の方で実験の準備を進めますので、蔵木さんは『実験室』の方で待機していてください」

「実験『牢』、ね」

 群星の物言いを無意味に訂正しながら、蔵木はこの部屋の頑丈な扉を開けて、また一人きりで、自ら『牢』の中に身を投じて行った。


 オカズになるような物は勿論、性的な興奮を励起させるような物など何一つ無いひたすら殺風景なだけの気が狂いそうな部屋。

 それなのに、ここに来ると蔵木はどうしても性的興奮を抑えられなくなる。


 後にも先にも、もう二度と、そして他の誰にも出来ないであろう、約4リットルもの大量射精。

 そして、どんなに絶頂し、射精しようとしても、一滴の精液も漏らさせてもらえずにひたすら性感刺激を強制的に打ち込まれ続けた射精妨害拷問。


 蔵木の、トラウマレベルを超えるここでの性体験はこれ以上無いほどに両極端だ。

 そして、ここまで極端な性体験は、ここ以外の場所ではそうそう起きるものではない。

 (※作者訂正。実際には、蔵木はここ以外の場所でもなかなかにスパイシーな性体験に何度か遭遇しています。)


 蔵木はただただ一様な天井と壁、怪しいハーフミラー、と周囲をぐるりと見回し、それから、補強に次ぐ補強でやたらと無骨になっている拘束椅子に目をやった。

「あれもこれも、何もかもが忌々しいのに、どうしてもここに来ると身体が疼いてしまう」

 蔵木の強烈で鮮明な記憶は、今はまだ空席なはずの拘束椅子にもう一人の蔵木を括り付け、蔵木の目の前で、括り付けられた蔵木は悶絶しながら部屋中に精液を撒き散らした。

 蔵木は勃起してしまった。


 そんな自分に気が付いた蔵木は、自分を恥じるように、誤魔化すかのように首をふるふると小刻みに振って記憶を散らした。

「でも、流石に気絶はもう、勘弁してもらいたいところだ」

 最後に残ったキツい記憶が、蔵木に本音を呟かせた。


 とはいえ、この場所はそもそもそういう性的な人体実験をするために作られた場所であるため、ここで幾ら勃起しようが何も恥じることなど不要である。

 実際、蔵木はこれから被験に向けて全裸になる必要があるし、勃起は勿論のこと、射精だってばっちりと観察されるし、20台近くに及ぶカメラに映像も音声も克明に記録される。

 ただ、実験を始める前から勃起していたら、場合によってはちょっと恥ずかしい思いをするかもしれないな、という程度のものだ。


 蔵木は軽く自分を笑って、衣服を脱ぎ出した。

 毎日にように他人に(主に群星に)勃起した性器を見られている蔵木だが、そんな毎日を繰り返し重ねていてもなお、まだ勃起を晒すときにはちょっとした恥じらいが残っていて、

「慣れきらないものもあるもんだな」

 と、妙に初々しい気分にもなる。

第2章 機械線蟲で


(こちらは体験版です)

第3章 尿道侵略して


(こちらは体験版です)

第4章 前立腺を内側から


(こちらは体験版です)

第5章 責め立てる!?


(こちらは体験版です)


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機械線蟲 -Nanotechnology-


OpusNo.Novel-067
ReleaseDate2020-07-31
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
共有、アップロード等はしないでください。

(こちらは体験版です)

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