オナホ三番勝負 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
今年もやってきた大学案内パンフレットのメインモデル選定の季節。
パンフに載りたい相撲部の主将黒部田は、今年度の第一候補であろうと目されるラグビー部主将の猪塚にパンフのメインを賭けた勝負を仕掛けた。
それが、『オナホ三番勝負』。
ここ、
猪塚も断れば良いのに、基本、頭部道佛大学は生徒も教員もひっくるめて、全員が脳筋にさらに脂肪もたっぷりと付いた新勢力『脳デブ筋』集団であるため、やすやすとその下らない勝負に乗っかっていってしまうのだった。
【主な登場人物】
【ラグビー部】
【相撲部】
「「「頼もう!」」」
部室の外で、声量が大きい割に重くくぐもって聞き取りづらい声がもわもわと鳴り騒いだ。
「なんだ、なんだ? うちは柔道部じゃねえぞ?」
何かと素早い、部内一のスプリンター、ウイングの
ガチャ。
「道場破りなら他をあたってくださいな。ここは柔道部でも剣道部でもありませんよ」
「んなことは分かっとる。豚を出せ、豚を。主将の豚を」
奥の方から遅れて、ラグビー部の現在の主将である巨漢タイトヘッドプロップの
「なんだ、相撲部の三豚トリオじゃねえか」
「豚が人見て豚って言うな。我々はれっきとした人間である」
「んなこと言っても、黒豚にイベリコにアグーだろ?」
「「「ちゃうわ!」」」
「吾輩は相撲部の主将、黒部田である」(「くろぶた」ではなく「くろべだ」)
「同じく、副将、井縁戸」(「いべりこ」ではなく「いぶちど」)
「同じく、中堅、安宮」(「あぐう」ではなく「あみや」)
「「「我々は断じて豚ではないのでそこのところよろしく!」」」
「……」
あまりにも綺麗に整った返しに、以前から何度となく同じやり取りを繰り返してきたのであろう熟練の匂いが立ち込める
「分かった、分かった。それで、黒部ダムにペプチドと冷やし中華始めました、だっけ? 三人揃って、うちの部に何の用なんですかい?」
「スマンが、黒部ダムはともかく、あとの2つは意味が分からないのだが、話が進まないのでスルーさせていただくとすると、猪豚さんよ」
「誰が猪豚だ! 『つ』! 『か』! 『い』『の』『つ』『か』!」
「すまぬ、つい、見た目に流されてしもうた。それで、豚塚さんよ」
相撲部の三豚だけでも役が揃っているというのに、そこに猪塚が加わってしまうと裏ドラが乗ってしまって、豚扱いの応酬が倍満になって止まらない。
が、ラグビー部の方の豚(じゃなくて猪ですよ)が先に少々キレた。
「ほほう、わざわざ三匹揃って、よその部室までのこのことやって来て、血を見たい、いや、チャーシューを見たいだなんて、全く変わった奴らだ。さあ、誰から先にこんがり上手に焼かれたい?」
猪塚は少々脅しに入ったが、相手も相撲部。
「ふふふ、こうも簡単に我々の挑発に乗ってくるとはな。流石、ジビエのボタン肉は血の気が多くて、目先のことに突っ込んで行くしか能が無い」
「ナニ!?」
相撲部主将の黒部田が高らかに宣言した。
「頭部道佛大学ラグビー部主将猪塚よ、来年度大学パンフのメインを賭けて、いざ尋常に、我と勝負せよ!」
「なん……だと……?」
とかく、主に横方向に大きな男子生徒を優遇する傾向を持つ重量級推進体育系教育機関である頭部道佛大学では、学校案内パンフレットのメイン写真にその年の代表的な巨漢選手を据えることが多く、その様相は昔の自衛隊員募集や警察官募集のような雰囲気を醸し出していた。
『君、良い身体してるねえ、自衛隊に入らないか?』、というような台詞が実際にあったかどうかは定かでないが、昔はなぜか良く耳にしたものだ。
それと似たようなイメージが今の頭部道佛大学にはある。
つまり、大学、なのだが、
『君、良い身体してるねえ、頭部道佛大学に入らないか?』、と言いたげなパンフレットを毎年作成しているのだ。
学問はいったいどこへ行ってしまったのだろうか? 若干行方不明である。
今年の有力候補はやはりラグビー部主将の猪塚、だということは多くの関係者が予想するところだった。
しかし、そこに相撲部主将の黒部田が『待った』を掛けた。
と、そんなところだろうか。
(なぜ決定権を持つ人間の所に行かずに猪塚の所に来てしまったのか、という点に関しては、えー、頭部道佛大学の特性をご理解いただきたい。)
大学のパンフレットに載るとか、そんなんどうだって良い、と考える学生もいよう。
さらに言えば、逆に頼まれても載りたくない、と思う学生もいるはずだ。
しかし、基本脳デブ筋(脳みそ筋肉なだけでなく、脳みそ脂肪もたっぷり付いているので)な学生が揃うこの頭部道佛大学においては、目立ったり注目されることも、大会で優秀な成績を収めるのと同様に価値があることだと考える生徒がほとんどだった。
これが悪い方向に作用してしまうと、いわゆるバカッターとかで悪目立ちをしがちもになる。
良いように言えば(?)、自己顕示欲が強いといったところだろうか。
すなわち、それほど意識してはいなかったようだが、こと猪塚においても、載る載らないという話があるなら載る方が良い、と思う側の学生だった。
「パンフレットのメインか。……なんてったって、今年はラグビーのワールドカップがここ日本で開催されて、大変な盛り上がりを見せたのだから、争うまでもなく、当然、ラグビー部がメインになって然るべきなのでは?」
と、猪塚は急にびっくりするくらい明瞭な正論を吐き出したのだが、黒部田も負けていない。
「いやいや、確かにラグビーも盛り上がってはいるが、数々の不祥事を物ともせず(※余計なことを言うねえ by 作者)、連日満員御礼を続ける相撲の人気も確かなものだ。決して、引けを取ってはいない」
「なるほど、それで
「何とでもほざけ。よし、そうと決まれば早速、三番勝負の団体戦だ。ラグビー部も3人の代表選手を用意したまえ」
「なんだと? 何から何まで勝手に話を進めやがって。おおーい、
猪塚は兎にも角にもまずは熊里が居なくちゃ始まらない、とばかりに熊里を呼び出そうとした。
熊里は怪我のため現役選手を引退し、現在は部のマネージャーという立場にあるが、新入生のときから花形選手であり、怪我をして猪塚に交代するまでは当ラグビー部の主将でもあった人物である。
何においても重要な存在である熊里は、今回の身勝手に吹っ掛けられた団体戦においてもまず声を掛けるべき重要人間、という認識が猪塚にはあった。
例え熊里が『自分は参加しない』と言ったとしても。
だが、
「居ないぞ」
答えたのはラグビー部の副将、巨漢フッカーの
「なんだ? 熊里はどこに居るんだ?」
「分かんね。俺も用事があってさっき探したんだが、どこにも見当たらないんだ」
かつてのわだかまりが消えて(※参照『前立腺中出し輪姦』)、牛沼の猪塚に対する言葉遣いも今ではごく普通の部活仲間のものになっている。
「居ないなら仕方ないか。まぁ、たかが相撲部の三豚くらい、ささっと俺らで蹴散らしてやるか。良いよな? 牛沼、羽鹿」
「良いぜ」「了」
「んで、何で決着付けようってんだ? なんなら、そちらお得意の相撲にしてやっても良いぜ? 押しの専売特許が相撲だけだと思ったら大間違いだ、ってことを教えてやっからよ」
「いいや、勝負はこの部室で、これを使って行うのだ!」
黒部田が自ら持参してきていたスポーツバッグを肩からズサーンと下ろした。
安宮がスポーツバッグを開けると、井縁戸と黒部田が中から透明な棒状の物を2つずつ取り出して見せてきた。
「「じゃじゃーん!」」
「……なんだそりゃ?」
「『セックス研究会』から借りてきた、オナホ三番勝負セットだ!」
「『セックス研究会』? ……『セックス研究会』!? また、あそこかよ! だいたい何なんだよ、『セックス研究会』、って!」
「何でも、今はこの頭部道佛大学で
「それって、この前のセックs! ……、あいや、あれと同じじゃねえか。迷惑なことばっかしてんなぁ、『セックス研究会』。って、なんだってそんな研究会が
「いや、それが、ここだけの話、下手するとうちの大学で一番力入れてる活動がセックス研究会なんじゃないか、って噂がある」
「は? 俺ら、ラグビー部を差し置いて?」
「俺らも何か納得行かないけどよ。大学の方針らしいんだよな」
「その大学の生徒が自分で言っちゃいけないんだろうが、脳デブ筋だもんなぁ。教職員もひっくるめて全部」
「なんてったって、学長がアレだしな。ま、とにかくだ。どちらかの競技に寄せてしまったら不公平になるだろう? お互いに普段やっている競技と全く関係の無いところで競うことで、公正かつ平和的に三番勝負が出来て、はっきり方が付けられる、ってわけよ」
「ふぅーん。何かいろいろと腑に落ちないことが多すぎるような気がするけど、こちとら売られた喧嘩はびた一文払わずにタダで買う主義なんでね。さっさとルールを説明しろよ」
「おっす、良いぜ。そうこなくっちゃ。よく聞けよ」
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
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オナホ三番勝負
OpusNo. | Novel-062 |
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ReleaseDate | 2019-11-14 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
個人で楽しんでいただく作品です。
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(こちらは体験版です)