暗いよぅ~狭いよぅ~……気持ち良いよぅ 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
今でも鮮明に思い出せる、爽やかな初夏の日の想い出。
気まぐれで見つけた、日中でも真っ暗闇に覆われる場所、押入れ。
そこに二人で籠もった僕は、深い考えも無いまま、全く見えないのを良いことに、欲望の赴くままに彼の肌に触れ、彼の身体を弄りたおしたのだった。
本当に久し振りの実家だ。
すぐに帰るつもりだったのだが、強く引き止められてしまい、一泊することになったのだ。
しかし、何の準備も、特別話すようなことも無かったから、意外なほど手持ち無沙汰になってしまった。
半分物置化している、
本棚に綺麗に並んではいるものの、ずっと動くことがなかったのであろうそれは、冊子の表面にうっすらと
小中高大と綺麗に並んでいた中で真っ先に迷いなく手に取った一冊は、特定のページだけやけに多く開いていたのだろう、背表紙にまでその折り目が残ってしまっていて、何も考えずに適当に冊子を開けば十中六七くらいはそのページが開いてしまうくらいの癖が付いてていた。
同じクラス、仲良く並んだ二人だが、なんとなく自分はそいつに若干押し出されているような気がする。
そう、彼はちょいと幅が太かったのだ。
「あれ、こいつ、こんなに写真映り悪かったっけ」
僕は思わず呟いた。
が、多分、僕は今まで何度も何度も、このページばかりを見てきたのだ。この家を出るまでは。
この自分の部屋と、彼の事を思い出すと、すぐに、もう何度も思い返したあのときのことを思い出す。
僕は半間の押入れの扉に目をやった。
子供の自主性を育てる、とかなんとかが流行りのご時世で、僕の両親も頑張って働いて家を増築。そうして、個室を与えてもらったのは11歳のときだった。
長い時間独りで居るなんてことは、それまでの人生ではほぼ経験が無かったことであり、そういう意味では(でも?)大きく影響を受けたことは間違いない。
自分の裁量で、自由な発想で、僕はこの部屋を使うことができた。
例えば、まだ日が煌々と照っている昼下がりの時刻に、部屋の雨戸とカーテンを全部締め切って電灯も消して、昼間なのに真っ暗闇、なんて状況も楽しんでみたりして。でも、確かに暗くはなるけれども、雨戸の隙間やドアの隙間から外の日の光が見えてしまって、当時の若さではそんな僅かな光源だけでも、徐々に目が慣れて、うっすらと辺りの様子が分かってしまう。そんな感じだったっけ。
しかし、自主性云々言い出す前に、真っ先に出てしまった個室の成果は『性の目覚め』だった。
なんとなくでも、人前や親の目の前では
何でも自分でやる、という自分に与えられた個室内での裁量により自主性が磨かれた面もあるのだろうが、磨かれたのはそういう側面だけではなかった。そういうことだ。
親にはバレないようにしているつもりだった。
でも、同時期に、親からは頻繁に『あまりいじくるな』的な突っ込みを受けていたのだから、バレバレだったのだろう。
部屋の匂いだってあからさまで、ずっと部屋の中に居る自分でさえ強烈な匂いが鼻に付いて仕方がないといった感じだったのだから、大人が分からないはずがない。
そういうプレッシャーも受けて、ダメだ駄目だと思いながらも、ついつい行為に
そんな思春期だったと思う。
そんなときに、家に遊びに来たのが奴だった。
いや、多分、もう随分と昔の記憶で、正確に覚えている自信もあまり無いのだけど、それまで奴とはそれほど付き合いがあったというような記憶は無いのだ。
恐らく、僕は個室の自慢をして、奴はそれを羨ましがってくれたから、僕は良い気になって彼を家に呼んだんじゃないだろうか。
今から思うとそんな気がする。
わー、良いなぁ、で一通り部屋のやや細々としたところまでチェックしてみて、さて、って一瞬間が空いたとき。
普通に部屋の中で遊び始めたり、あるいは、そこから家を出て遊びに行っても良かったのだろうが、そこの繋ぎがスムーズに行かなかった記憶も若干残っていて、その辺りも、多分、そのときはまだ、そいつとはそれほど気心の知れた仲ではなかったんじゃないか、と思うところだった。
何か新たな話題かなんかを、そうして閃いたのが、忘れもしない、アレだった。
(こちらは体験版です)
暗いよぅ~狭いよぅ~……気持ち良いよぅ
OpusNo. | Novel-050 |
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ReleaseDate | 2018-06-01 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
個人で楽しんでいただく作品です。
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(こちらは体験版です)
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