エロ地獄の閻魔大王 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
チープなセリフに身を任せても、明日はOV売ってスターよ。
体当たり、迫真の演技で『あれは疑似か本物か?』論争を局所的に巻き起こしたOV俳優デビュー。
その第2弾の企画を蹴っ飛ばして、代わりに提案されたのがこの、
なるほど、我輩が閻魔大王ねぇ。地獄の長なら、そうそう酷いことにはならずに済むだろう、とOKしてしまったら、地獄を自ら体験するというシーンばっかり!
しかも、全編オリジナルのエロ地獄とか!
意識すっ飛ぶほどの激しい絶頂も、すればするほど迫真の演技。
日常じゃありえない激しい射精も、出せば出すほど高度な映像技術。
本番ノンフィクションドキュメントであることをひた隠す、我輩渾身の濡れ場演技にますます磨きが掛かってしまう。
【主な登場人物】
※『芸人 山野純三』シリーズと同じキャラクターを使用していますが、パラレルワールドの話につき、若干の設定変更を行っています。
今、我輩は全裸で全身に縄、……えーっと、何て言ったっけ?
ただ今、微妙な位置合わせを行っている最中だそうでして、もう間もなく、ゆっくりと降ろされる予定でーす。
現場からは以上です。一旦、カメラお返ししまーす。
……
なんて、悠長なことを言っとる場合かあ!!
なんなん!? これ、一体、なんなん!?
我輩の持つ130kg超えの豊満な巨体を考慮して、
「なるべく負荷を分散させるように工夫を凝らしました!」
って、達成感すら感じさせるような爽やかな笑顔で言われたけどさ、それでも若干まだ痛いのよ。
やっぱ、縄だけで身体全体を持ち上げようなんて言う時点で無理があったんだって。
我輩はちゃんと言いました!
「少なくとも体重が集中して掛かる尻周りだけでも布で包んで吊るすようにしましょうよ。でないと痛いですよ。絶対、痛いですよ!」
そしたら、あ奴ら、何て言ったと思う?
「「それをするなんてとんでもない!」」
思わず、
それじゃあこの狭いアイテム欄に必要なアイテムが持ち切れないんだよお! とか、
まーた、『はい』か『Yes』しか選択肢の無い、懐かしRPGの黒に白の縁取りで現れるひらがなウインドウかよ! とか、
こちとらHP削られてとっくにオレンジ色だよ! なんなら敵グラフィックの白まで一緒にオレンジ色に変色だよ! とか、
ツッコミたくなっちゃうような平坦口調の定型文よ。
あ、一応、言っておきますと、上記のセリフ、例の奴とまるまる一緒ではなくて『て』が無いんですね。
『すてる』じゃなくて今回の場合は『する』で正解ですので。
っつか、またツッコミの順番間違えたわ。
だいたい、こんな身体張った芸人他に
いや、確かに身体張る芸人さんで凄い人はいっぱい
それに、Hな方面にだって、ハプニング的に身体張っちゃったケースもあるっちゃあ、あるしね。海外のゲイバーでコンドーム配って掘られちゃった例のやつとかね。
でもさあ、それ、スタッフは逃げてて映像撮ってないやん?
なんなら、我輩、それ中心で撮られてるんですけど?!
正直、今までも散々裏でいろいろヤらされてきたというか、ヤってきたけどさあ、今までは裏だったわけじゃん? しかも、流出しないことが確約されている正真正銘本物の裏。
それが、前回の仕事ではついに、その裏が表に出てきちゃったんだよね。
演技でヤるならまだしも、ぶっ挿したりぶっ挿されたりというシーンを全編本当にぶっ挿して、ぶっ挿されて。
その部分だけ本当に演技じゃなくて
我輩、例によってぶっ挿された挙句射精しちゃっているんだけど、その様子はまるっきりドキュメンタリーのノンフィクションの40(From ク○ズグランプリ すっげー古い)なんだけど、それを表向きは逆に『演技』、それも、『迫真の演技!』だということにしているのね。
我輩の体重でも支えられるように特別に作られたガラステーブルの上に突っ伏して、ガラス越しに我輩が射精した精液がニュローンと広がっていく様子なんか、あれ本当に我輩の精液、ザーメンなんだけど、それを高度な技術の編集ってことにしているんよ。
『S・F・X! で、S・E・X!』
センス無いやろ? 我輩が考えたコピーじゃないですから。我輩は一切そこには関与していませんから。
とにもかくにも、前回の仕事で我輩、一応、濡れ場の演技も
それなりに反響もあって、話題にもなったわけで。
まぁ、その話題のほとんどは『あれは擬似か本物か?』というくっだらないゲスな論争だったわけですけれども。(テンション低&自分達のことは棚上げ)
要は結局、日本だとモザイク掛けなきゃいけないから、そのせいでどっちだか判り
通常だったら、擬似であっても判り難い、本番っぽく見える、っていう利用のされ方がほとんどなんだろうけど、我輩の場合は逆、だったわけで、演技じゃなくて本番
だってさぁ、ぶっちゃけAV男優との違いってどこよ?
『
断固として作品をAVとは呼ばない、っていう体。
日○ロマ○ポルノみたいなもん? とでも言えば良いのかな?
古くて分からない? んじゃあ、天城○え? 失○園? 白○抄とか? これ、前にも言ったな。
あーあー、別に何かに例えようとしなくても良かったわ。だって、OVだもん、Vシ○みたいなもん。
それで何となく分かるでしょう? ノリ的なものも含めて。
んでもまぁ、そこそこヒットはしたわけで。
ほいで、この話題が熱いうちに打て! 第2弾!
……は、山那から企画書差し出されたときに、我輩、その紙、山那の目の前で破って捨てました。
だって、あまりにも安易な二匹目のドジョウ狙いなんだもん。
シナリオのレベルもチープなまんまで全然クオリティ上がってないし、結局は、我輩がちんちん扱かれるわけでもないのにケツにハメられただけでイク、ってところに頼り切ってるのもそのまんまだし。
な~んか、待望の人気作品第2弾ですよ! みたいな変に自信有りげな被せ気味のタイトルだけは堂々と付けとったけど。
え? どんなんだったか、三行でまとめて言え?
う~ん、改めて言うほどのものでもないし、OV、じゃなくてこの顛末を書いた小説の方の前作『山野純三 平行世界 4 板挟み! 中間管理893』に載ってるんで、良かったらそっち見てくれるか? そっちもあらすじしか無いけど。提案の時点で即ボツにさせたからな。
なんでも、そっちも見てくれると、作者の
まぁどっちでも、どうでも良いわ。
作者さんが助かるらしいねんて。
んで、話を元に戻すとな。
第2弾って出された企画を我輩がボツにして、じゃあ考え直す、としばらく山那とゴンちゃんで企画練り直したらしいねんな。
そいで、今度はゴンちゃんが我輩にプレゼンしたんよ。
「前作で特に評価されたSFXに磨きを掛け、世間をあっと驚かせるような作品にしてみせます!」
「ぉ、おおぅ」
なんか、勢いに圧されてしまって、半ば押し切られたような形で思わず
だって、なんだか、そこだけを聞くとまるで超大作に関わらせてもらっているような錯覚を起こすじゃん。
思えば、それが間違いの元やったんや。
「というわけで今回、純三さんには
「ぉおっ? 二番煎じじゃない。意外。そう来るか。しかして、なにゆえ、我輩が閻魔大王に?」
「その『我輩』繋がりです」
「あー、なるほどねぇ、って、え? 閻魔大王って『我輩』なんて言ってたっけ?」
「イメージです、イメージ。それに、ほら、あの漫画・アニメがあるじゃないですか」
「あー、あれ、『鬼灯○冷徹』? か、結局、パクりかい」
「いやいや、バカにはできませんよ。まず第一に純三さん、あの漫画の閻魔大王のイメージにピッタリじゃないですか。それに、キャラは被ってても、シナリオは完全オリジナルにしますので。それはもう絶対に! カスりもしませんから」
「本当にぃ? なら、良いけどもさ。でも、我輩イメージは似てても実際そこまで大きいわけでもないじゃない。閻魔大王って軽々2m超えるくらい無いとイカんのとちゃうの? その辺はどうすんの?」
「そこが、S・F・X! です」
「あーん、なるほどねぇ。ま、それならまぁ、良いか」
「商談成立ですね。それでは、宜しくお願い致します」
このとき我輩があの漫画・アニメの内容まで事細かに思い出していれば、この悲劇は回避できたのかもしれない。
しかし、このときの我輩は、
流石に閻魔大王だったら地獄の長、一番偉い人、人? 亡者? なんだから、無理やり変なことをやらされることもなかろう?
と安易に考えてしまっていたのだった。
我輩、超、ミステイク。
こら、そこ、お前毎回ミステイクしているな、とかツッコんでんじゃないよ。ずっと完璧だったら何の物語も産まれないじゃん。
(子宮に響くと言われる魅惑の低音ボイスで)
アクシデントとミステイクくらいは、見逃してぇくんねえかなぁ。
撮影のスケジュールが必ず3日以上間隔が空いていて、連日の撮影ってのが一個も無いのよ。
不思議だと思わない?
セットの都合とかでさ、ここで集中して撮りたい、みたいなのがあってもおかしくないわけじゃない。
それが、全部飛び飛び。
むしろ、連日だと都合の悪いことでもあるんかね?
んで、
機材とか場所とかの方で大事なところを先に予め押さえておかなきゃならなかったみたい。
でもな、台本な、それらしいもんがあるのは我輩見掛けたんよ。
俺にだけくれへんねん。おかしいやろ?
そりゃ、普通、台本よりスケジュールが先とか無いやん。同時進行で多少のズレが生じる、とかだったら大人の事情であるかも知れんけどさぁ。
そしたら、また、俺には純粋で新鮮なリアクションをして欲しいので事前の入れ知恵は無し、とか言って誤魔化して、やっぱり見せてもくんねえんだよ。
温泉レポ番組『山野純三の温泉浴びせ倒し』のときと一緒やん、それ。
……ってのが、大いに不安やわぁ。
あんときだって、最終的には我輩が浴びせ倒されちゃう流れだったんだからね。そんな重大なところを俺に隠してるとか言語道断じゃん!
だから、流れだけでも説明せい! と強く訴えたのよ。
我輩、ドッキリの企画でも、ちゃんと『知らなかった、びっくり!』って演技を完璧にやるから事前に何仕掛けてくるのか知らせておいてくれ、っていうタイプの芸人さんやからね。
んで、軽く説明会みたいなのが始まったんな。
「今回、純三さんには閻魔大王になっていただいて、様々なエロ地獄を自ら体験してみる、という……」
早速や。
「おーい、今、地獄の手前で何て言った?↓」
「『エロ』ですけど、何か?」
「何か? じゃなくて、なんでそこをあたかも当たり前かのように平然と言い放つわけ? おかしいでしょうよ!?」
すると、なんでか向こうの方が妙に強気なんよ。
「良いですか、純三さん? 我々に期待されているのは高度なSFX編集技術と、純三さんの迫真のエロ演技なんですよ。そこを外して、どないすんねん?」
「いや、あんた関西人でもなんでもないやろ」
「逆に聞こう、何だったら出来る?」
「いや、人のネタ奪わんといてや」
「お父さんがどうなっても良いのかぁい?」
「お父さんとか、今、全然関係あらへんやん。それに、あれは『お父さんの工場』や。『お父さん』で切ったらなんか怪しくなるやろ」
「スマンカッター!」
「何それ? それひょっとしてギャグ? やらん方が良いんとちゃうかな? オモロないし」
「これ、緑の人のだけど、知らない?」
「知らんわ、緑の人なんて。そんな人知らんし、そもそも、緑の人なんてこの世界には存在してへんわ!」
なんでここでムキになるのかって? 我輩も良う分からん。
「結局、なんやかんや言って、シチュエーションが変わるだけでヤることは一緒なんやろ? あかんあかん! ボツやボツ!」
「ほう、純三さんには、シチュエーションの変化がどれだけ新たな世界を広げることができるのかという可能性の大きさが、理解できていないと見える」
「な、なんや、まるで我輩の方が物分かりが悪い、我輩の頭が悪いみたいな物の言い方は! 我輩、少なくともお前らよりはいっぱい、いーっぱい勉強できるんだぞ! いっぱい、いーっぱい強いんだぞ!」
「それじゃ、6引く2は?」
「そ、それは流石にヤメにしない?」
「流石に引き算はちょっと難しかったかなぁ?」
「うーっ、4! だから、ヤメれって! 何なん!? さっきから!」
「今、ちょっとマイブームでして」
「今頃かい、遅! あんた、時代感覚が10年くらい遅れてまっせ」
「大丈夫です。これは100年続く鉄板ネタなんですから」
「ちょっと待って、こそばゆい! 全身、ありとあらゆるところがこそばゆくてたまらん! あー、おべんちゃら気持ち悪ぅ!」
みたいな感じで煙に巻かれつつあったのだが、しつこく食い下がろうとした俺にガツンと一声。
「もう、人も物も全部押さえちゃってるんですけど、純三さん違約金払えます?」
「あわわわわ、う、嘘、ボツとか嘘! 軽い冗談やってん!」
「デスヨネー」
酷いやろ? やり方が。
いや、多分、裁判とかまともに
それに、なんやかんや言ったけど、シチュエーションの変化とやらで、あのガラステーブル越しの大射精のシーンを超えられるのか、正直、俺、ちょっと興味はあるねん。
そいでまぁ、結局はそのまま撮影に応じることにはしたんだけど……。
おいっ、3日以上間隔が空いているスケジュールってそういう意味かっ!!
我輩のザーメン溜め待ちか~いっ!!
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
(こちらは体験版です)
エロ地獄の閻魔大王
山野 純三 平行世界 5
OpusNo. | Novel-048 |
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ReleaseDate | 2018-03-12 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
個人で楽しんでいただく作品です。
個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
共有、アップロード等はしないでください。
(こちらは体験版です)