板挟み! 中間管理893 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 温泉レポ(しつつ裏で毎度浴びせ倒されるっていう)の次の仕事は俳優。

 任侠物っぽい映画もどきだけど、実質中身がほぼ濡れ場……。

 いやいやいやいや、演技でしょ?

 前貼りを要求する我輩に対して、ディレクターから無慈悲なNG、むしろしちゃダメ宣言。


 豪快に飛び散り広がる本物のサ○メンも、モザイク掛ければ特殊効果のSFX。

 本番の紅潮も絶叫も絶頂も、モザイク掛ければ身体を張った迫真の演技になる。


 何ソレ、普通、SFXの使い方逆やろ? ってか、SFXなんて欠片も使つこうてないやろ?

 それでも我輩は迫真の演技で濡れ場(のみ)を熟す本格俳優の評価を得られてしまう。

 あれが演技じゃなくて、ただの本番だなんて絶対に言えへん!


【主な登場人物】





※『芸人 山野純三』シリーズと同じキャラクターを使用していますが、パラレルワールドの話につき、若干の設定変更を行っています。


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 AじゃないよOだよ?

第2章 シーン342

第3章 シーン3302

第4章 ぶよっ、どばっ、びちゃー!

奥付

第1章 AじゃないよOだよ?

 例のほれ、温泉のやつ。


 ゴンちゃんが提供してくれた我輩の冠番組、『山野純三の「温泉浴びせ倒し」』、あれ、1クールで終わってもうたんですけど、一部の視聴者にはめっぽう好評だったらしくて。

 なんか、我輩の入浴シーンがキャプチャされて、そこの画像だけがネットにぶわーっと、拡散しちゃったりしたんです。

 ほら、俺、エゴサーチとか、よくする方やんか。

 だから、見る気が無くても目に飛び込んでくるわけですよ。


 あの、我輩が湯船から立ち上がっているところで、左手にちっこいタオル持ってギリギリ隠しつつ、右手は人差し指を一本立てている場面があるんだけど、あれタイトルコールで「それでは、『山野純三の温泉浴びせ倒し』、ここで一発、浴びせ倒しと参りましょう!」って言ってんのね。いや、我輩がそう言いたくて言ったわけじゃなくて、そう言えってカンペ出てて言わされただけから。我輩ただの演者ですから。

 あ、で、話ちょっとずれちゃったんですけど、このシーンだけ切り取られて、吹き出しのキャプションに『もう一発やらせて』とか書かれて完全にもてあそばれてんの。

 確かに、元からしてそういうミスリードを誘うタイトルコールだったのは確かだったんで思惑どおりと言ってしまえばそれまでなんですけどね。

 完全に遊ばれてる、ってか、オナペットにされてんのかな。

 なんかね、最近ね、微妙に、グラビアアイドルとかセクシー系の女優さん(ダイレクトに言うとAV女優ね)の気持ちが分かるようになってきた気がするんだよね。

 気のせいだと良いんですけど。


 ちなみに、同時に撮影されたAVの方は例によって一切、一般には流通してませんから。存在すら知られていません。

 はなからそういう約束だったからね。

 我輩の芸能人生に傷を付けない。

 そういう約束のもと、限られた我輩の金持ちファンの間だけでシェアされる、という、ね。

 そういう約束ですから。


 あ、んで、好評だったのに1クールで終わりってのが、いわゆるネタが切れました、って奴で、温泉旅館で女将ならぬ男将が出てくるって限定しちゃった時点でもう数に限りがあった、ってことなんですわ。

 まぁ、ってことは、要するに、裏撮影の要員がせいぜい1クール分しか確保できなかった、ってことでしてね。

 ってか、我輩的には1ダースも集められたんかーい! って、逆に良く集めたなって感心しますけどね。

 というかですね、聞くところによると、あの人達、例の、我輩の完全裏AVをシェアする我輩の金持ちファン連中だったらしいっすよ。本物の旅館の男将じゃなくて、仕込みだったんすね。だから、仮に、視聴者さんがその男将目当てで温泉旅館に行っても会えないっていう、ね。ま、中には本物も居たとか居ないとか。信じるか信じないかは貴方次第とか。

 まぁ、とりあえず、その手の人らじゃなければそう簡単に1ダースも我輩を浴びせ倒しに来るような男を揃えるなんて、無理があり過ぎますからね。

 それに、そういう人らじゃなかったら、情報漏れちゃうでしょ。『山野純三とヤったー』ってバラす奴が絶対に出てくるもんね。

 だから、そういう人選だったというのはむしろ納得が行くところでしたね。

 ……というか、我輩、なんやかんやで1ダースもられちゃったんですね……


 あー、で、ゴンちゃんの仕事はここで一旦、ひと区切りってことで終了なのかな? って思ったんですけど、また違うお仕事くれましてん。

 いや、裏はもうこりごりなんですよっ!

 でも、ほら、普通の、正規のお仕事をくれる分には、そりゃもう普通に『ありがたい』ってなるのが当たり前じゃないですか。

 だから、ゴンちゃんの仕事ってだけで我輩、無碍に断ったりなどしません。

 だいたい我輩、大人ですし。

 (なんやかんや言ってゴンちゃん格好え男前やしな。おっと、これはオフレコやで。)

 それにね、


 なんかね、山那とゴンちゃんがエラい仲良うなっちゃったみたいで、俺を差し置いてよく二人でつるんでるみたいなのよ。

 まぁ、そこに俺が絡んでいっちゃったら、俺が大変な目に合いそうなので、差し置いてくれていて全然構わない、むしろ、そっちの方が全然良いんですけど。

 で、どうも、二人で次どんな仕事をしたいか、だいぶ話し合っていたらしいねんな。

 山那が一人で俺の稼ぎをどうするか考えていたときに比べて、ゴンちゃんの資金力やら組織力やらのお陰もあって自由度が格段に増したみたいで、『思いついても実現できない』みたいなしがらみがだいぶ減ったらしいのよ。

 それで、話が弾むらしいねんな。


 ……でも、それで話が弾むってことは、僕をどう陵辱するかで盛り上がってるってことなんでしょ?




 前回はレポーターでしたけれども、今回は我輩、俳優をやることになるそうで。

 いや、前にも一応やったことはあるんですよ。なぜか途中から我輩の演技のところだけ別の声優さんがアテレコするっていう謎の編集をされていましたが。

 我輩むしろ良い声っていわれるほうで、声優のお仕事をさせてもらったこともあるんですけどもね。

 謎、純三七不思議の一つですね。あとの6つが何か分かりませんけど。


 なんでも893モノっぽいものをやるらしくて、あ、ほら、Vシ○マみたいに言われるやつ。あれとは別会社なんでそういう言い方はできないし、しないらしいんですけど、一般的にはOV(Original Video)て言うんですか? OVAはちゃいますよ、それだとアニメになっちゃいますから。

 いわゆるセルやレンタルのビデオで映画っぽいドラマをね、映画と言っても予算規模が全然違うんで、チープな感じは出ちゃうとは思うんですけどね、まぁ、そこも味ということでね、出すらしいんです。

 んで、今回は演技をしなきゃならないので、流石に事前に台本が配られました。


 タイトル、

 『板挟み! 中間管理893 ~落とし前でサしつサされつ~』。

 チープやなー。

 あ、そういえば我輩、昔、映画で番長の役やったこともありましてん。

 あんな感じなんですかねぇ。

 ま、本人は至って小心者ですので、風体はともかくとして性格的には地ではできない大変な役どころではありそうです。


 中身はどうか、と、ぱらぱらぱらとめくってみますと……我輩フリーズしました。

 そうです。台本あるから、最初からどんな話か分かるんです。


 マジかよ。

 これ、チンピラ映画を気取ったAVなんじゃねぇのか?

 確かに、ふつうの映画やドラマでいわゆる濡れ場があったってなんもおかしくなんかないし、それが大きな話題にはなるけどカテゴリーとしては決してポルノではない、という作品もありますよね。失○園とか天城○えとか白○抄とか……

 この作品もそんな風にするつもりなの? ねえ?


 我輩、もうAVは散々撮られてますけど、一般流通無しの非商用完全裏(いわゆるモザイクが無いという意味の裏ではなくて、もうさっき言ったわな)という約束ですので、表向きの作品でAVを撮ることは無いはずなんです。

 でも、心配になるじゃないですか、こんな内容だと。


 我輩は893の中間管理職。

 下はヘマばっかりやらかすし、上からは厳しい要求を突き付けられる、まさに板挟み状態。

 そんな中、部下の度重なる失敗に業を煮やした我輩は、落とし前と教育を兼ねて部下を折檻する。

 しかし、そんな部下の失敗の責任も被らなければいけない我輩は、逆に上司から落とし前と教育を兼ねた折檻をされてしまうであった。


 現代社会における中年男性の憂鬱なしがらみを茶化したような内容なわけで、まさしく、タイトルにあるとおり『板挟み』なわけです。

 ……なんだけど、折檻の内容が、あの、副題あるやろ? 『サしつサされつ』。

 この副題のとおりなんだけれども、なんでこれ、漢字使わんでわざわざカタカナにしているのか分かる?

 普通、『さしつさされつ』言うたら『差しつ差されつ』やろ?

 この作品では『挿しつ挿されつ』やねん。

 分かる?

 また、俺、挿されねんで。


 あ、でも、待って。

 『挿されつ』もあるけど『挿しつ』もあるで。

 考えてみたら俺、今まで『挿されつ』ばっかりで『挿しつ』はしたことない。

 今回で『挿しつ』デビューってやつですか、もしかして。


 いや、でもな? 考えてみ? 今までとは違う、一般の世に広く出回る作品や。

 それっぽい場面は出てくるにしても、そこはほれ、かなりボカすやろ?

 それに、演技や。演技。

 ああいう濡れ場の演技は大抵、きちんと前貼りをしてやな、しっかり演技でやり通すんやで。

 それが、お芝居っていうもんやろ? な? な?


 ……なんか言うてえな。

 なんもリアクションが無いとこっちが不安になるやろ……。


 まぁ、いずれにしろ、今作にて我輩、OVデビューが決定いたしましたー。

 え? Aじゃないよ、Oだよ?

 AVデビューなんてするわけが無いじゃないですか。

 嫌だなぁ、もう。


(こちらは体験版です)

第2章 シーン342


(こちらは体験版です)

第3章 シーン3302


(こちらは体験版です)

第4章 ぶよっ、どばっ、びちゃー!


(こちらは体験版です)


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板挟み! 中間管理893

山野 純三 平行世界 4


OpusNo.Novel-047
ReleaseDate2018-02-26
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
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(こちらは体験版です)

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