温泉浴びせ倒し (体験版)

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 グレードアップ権付き握手券付き本の販売がきっかけで出会ったゴンちゃんは番組まるまる1コ作れるくらいの大金持ち。

 握手券一万枚で僕は彼に抱かれて、それで縁が出来て、彼は我輩に冠番組をプレゼントしてくれることになったのだ。

 それだったら最初から普通に仕事くれよ! と言いたいところが、とにもかくにも、仕事は仕事。しかも深夜とはいえ我輩待望の冠番組。

 懐も潤って言うことなし、と思いきや、やはりゴンちゃんは普通には仕事をくれん人。

 確かに俺は懐も潤ったけれども、それ以上に他のところが潤ってしまってしようがないのだった。


【主な登場人物】





※『芸人 山野純三』シリーズと同じキャラクターを使用していますが、パラレルワールドの話につき、若干の設定変更を行っています。


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 突撃温泉レポ

第2章 収録終わったと思ったのに

第3章 浴びせ倒し裏

第4章 あと11回あります!?

奥付

第1章 突撃温泉レポ

 グレードアップ権付き握手券付きの本を出版してみたら、本一万冊ならぬ握手券一万枚分(というか結局二万枚分貰えることになったんだけど、うち一万枚分は俺が昔自分で撮ったAVの分だからね)をも投じてくれた、通称ゴンちゃん。

 なんとゴンちゃんは、その権利で我輩を抱いてその様子を撮影するに留まらず(一般流通は絶対にさせないという約束付きで)、その後、直に仕事くれるようになったんよ。


 もともと、TV番組のスポンサーになるくらいのことはできるし、やっていた人でもあったんだけど、1個の番組の専属スポンサーになって、番組の内容そのものまで提供する、という形を取って、その演者として我輩をメインに起用してくれたわけ。

 それだけではなくて、プロデューサー(というよりもどちらかと言うとディレクター的扱いの方が近いのかな)に山那も起用してくれるという気の遣いようで、我輩の気心知れたスタッフとともにのびのびと仕事ができるように、と、お膳立てをしてくれたのだ。

 握手券一万枚だけでも随分助かったのに、ゴンちゃんがまるで神様みたいに思えるほどありがたい。

 我輩のみならず、山那まで仕事ができて、非常に助かっちゃったのだ。


 番組の内容は、一言で言うと『温泉レポ』。

 主に旅館の温泉を巡ってレポートするらしいねん。

 なんでも女将さんの紹介もセットになっているらしくて、女将さんに話を伺って、温泉入って、感想述べて、って流れなんだそうな。

 番組のタイトルは『山野純三の「温泉浴びせ倒し」』!

 なぬ!?


 あのさあ、憧れの冠、しかもテレビの冠番組だけに我輩の名前が入っているってところは正直俺、凄く嬉しいのよ。

 でもちょっと、この番組名おかし(く)ない?

 って、聞いてみると、その昔、現役を引退したお相撲さんが『温泉がぶり寄り』という、とある番組内の一コーナーをやっていたことがあるらしくて、そのオマージュらしいねん。


 いや、しかし、俺は相撲なんてほとんどやったことないですけど? 体型がそれっぽい? いや、それは、本物のお相撲さんに対して失礼でしょうよ。

 確かに我輩の体重は十分に関取クラスではあるのかもしれませんけれども。実際に我輩よりも軽い、小兵こひょうなんて呼ばれたりする、ね、関取の方なんてのもいらっしゃるわけですし。

 ですけど、鍛え方が全然違いますから。僕みたいにビリーさんのブートキャンプをちょこっとたしなむ程度じゃ、とてもお相撲さんのような筋肉までは付きませんから。

 あー、引退後だから良いんじゃね、って? あーまぁ、そういうことであれば、じゃあ、仮にそこはそれで良しとしましょう。


 だとしてもですよ。

 確かに、温泉とイメージ的に繋がりやすい決まり手を選んでるんだな、ってのは分かりますよ?

 でも、例えば『がぶり寄り』だったら、我輩が温泉にがぶり寄っていく、っていうイメージで分かりやすいと思うんです。

 『浴びせ倒し』って、我輩が温泉に浴びせ倒しって、なんかおかしない?

 どちらかと言うと、温泉を浴びるのが我輩、でしょ?


 みたいなことをぐちぐち言っていたら、

「これで良いんです。純三さんもそのうち、このタイトルで正しいんだ、って気付くようになりますよ」

 だって。

 なんか、こう、番組の構成で、なるほど! 浴びせ倒しだ! って思えるような構成にしていたりするんでしょうかねえ?


 とまぁ、そんなこんなで、我輩はこの番組の初めてロケ、温泉旅館にやってきたのだ。




「それでは、こちらの宿の女将さんに登場していただきましょう。女将さん、いらっしゃ~い!」

 ええと、そこはかとなくパクり臭がしますけど、そういうカンペが出ていたものですから。我輩がパクってるわけじゃないですから。

 ってか、これ次から直させた方が良いんじゃないかなぁ。

 事前に台本見せてくれなかったんだよね。しかも、このロケ、事前打ち合わせもほとんど無しのぶっつけ本番なのよ。

 え、それって、実労働時間が短く済んで超楽なパターンじゃね? って安直に思って、安易にうなずいちゃったんだけど、やっぱ、まずかったかなぁ。


 と、何やら大きな物影が。

「……え? ぇええ!?

 出てきたの、男の人だけど、どうすんの? これ。

「あの、お、女将さん……は……?」

「はい、私がかみです」

「お、おかみさん? 失礼ですけど、男性の方ですよね」

 というか、どうみても男。しかも、かなりゴツいおっさん。俺も人のこと言えんけど。

「はい、男のかみで、男将です」

「そ、そうなんですか。いや~びっくりしました。事前に男の人が女将やっているって知らされてなかったものですから、てっきりお美しい女性の方がいらっしゃるものだとばっかり思い込んでいたところに、こんな猛者もさいおっさんが現れるとは。いやはや、そうですかぁ、男性の女将、珍しいですね」

「そう、ですかね」


 とまぁ、こんな感じで。

 新鮮でナチュラルなリアクションが欲しいので事前の入れ知恵無し、ってことだったんだけど、女将とは聞いていたのに男将だったので少々面食らったわけです。

 それでも、まぁ、なんとか温泉の効能やら特長やらとかを卒なく聞き出して、尺繋ぎにちょちょいと男将を弄り倒したりしましてね。

 我輩、ココがありますから。そんな程度のハプニングくらいじゃあ動じることなど、全くありません!


 そして、いよいよ、入浴シーンの撮影のため全裸になったわけです。


 ……って、タオル小っちゃ。

「すみませ~ん、このタオル、このサイズだと、ちょっと腰に巻けないんですけれどもぉ」

 え? 腰に巻いちゃだめ? 手で持って隠せ? と。

 んで、湯船に浸かるときはタオル外して、湯船にタオル浸さないようにしろ、と。普段の入り方と一緒やな。

 あれ? こういうのって『撮影のため特別に許可を頂いてタオルを着用しています』とかテロップ出すもんじゃないの?

 あん? 必要に応じてモザイク対応する? あ、そう。


 なんか、いかにもゴンちゃんがくれた仕事、って感じやよな。

 温泉レポだし、女将じゃなくて男将だし、タオルちっこいし、そのタオルも湯船に入るときには取るなんてさ。

 プロデューサー扱いで登用してくれたはずの山那がカメラ持っているところなんか(他にも例のゴンちゃんお抱えカメラマンも居るけど)も、この間のAV撮影と全く同じ布陣で、そんときを彷彿ほうふつとさせんねん。


 だいたいさあ、考えてみれば、ゴンちゃん、我輩のことが好きで、元から番組作れるくらいの力があるんだったら、別に普通に我輩を起用してくれていれば良かったのに。

 そうすれば、俺の生活も安定してジリ貧で困ることもなかったのかもしれないし、あんなこっずかしいグレードアップ権付き握手券付きの本なんて出版しなくても済んだかもしれないじゃん。

 なんで、握手券グレードアップさせて俺を抱いてからやっと仕事くれるようになったの?

 ゴンちゃんもなかなか食えないお人やな? さては。


 ま、でも、うん。はいはい。分かってますよー。

 我輩のコアな客層へのサービスなんでしょ?

 なんて物分かりが良いんでしょう! 我輩。

 そんじょそこらの、普通のタレントさんじゃあ、こうはいかないですからね。


 ちっさいタオルを不器用かつ無造作に掴んだように見せて、実はわざと大きく鷲掴みにして、ちっさいタオルをもっとちっちゃくしちゃって、隠せる面積をすんごく小さくしちゃる。

 そして、手の位置も際どく、実物はギリギリ映らないけど、アンダーヘアとか結構見えちゃってんじゃね? くらいにきわきわにしちゃる。

 (なあんて、手の位置の件については、本音を言うと、我輩、手が短くて胴が長いから、姿勢ちゃんとすると股間にまで手が届かないのよ。ただでさえ届かないのに、太い二の腕が胸の肉に押されて外に向いちゃうから余計に届かない。さらに、腹肉と土手肉のせいで我輩のちんちんがさらに遠くに行っちゃってるから、全然届かない。だぁから、オナるのも大変、ってか仰向けじゃあしんどいから、だいたい座ってやる形になっちゃうんだよね。あ、今のオフレコね。え? うそ? 消せないの? いや、こういうところだけカットしてくんないんだからぁ、意地悪やなぁ、もう。)


 まぁ、とりあえず、どいつもこいつもニヤニヤしてるから、これでOKなんだろ?

 ポロリだけには気を付けながらも、湯船のへりをちょっと大袈裟に跨いで大股開き~。

 んで、温泉浴場として一番見映えの良さそうな位置にまで移動、の最中になんか大きく手を振る仕草が俺の視界の端っこに映った。

 ん、また、なんかあんのかな? 振り向いてみると、やっぱりカンペが出てる。

 あ? で、今度は何?


「それでは、『山野純三の温泉浴びせ倒し』、ここで一発、浴びせ倒しと参りましょう!」

 あー、タイトルコールね。ここでシーン撮るつもりだったのね。

 ご丁寧に人差し指一本立ててる我輩の似顔絵らしきものまで描いてあったので、さっきのパクリ臭漂うカンペと同様、事前に考えられてた台本シナリオなのでしょう。

 ちゃんとやりましたよ、なんたって腐っても憧れの冠番組ですからね。

 人差し指一本ダァーンと立ててね。


 いっちゃん良い場所で、たっぷり肩まで浸かって温泉レポ開始ですわ。

「あ~、気っ持ちえ。良い湯加減ですわぁ」

 ん? 何、カメラ随分と寄って来て、それでいて我輩の顔を映すわけでもなく下の方に向けてるけど……

 ぁん? ひょっとして?


 いやいやいや、これ深夜とは言え公共に流れるテレビ放送でしょ!?

 なに堂々と我輩の股間をうつそうとしてんねん。

「お湯の上からならモザイク要らないかと思って」(小声)

 いやいやいや、そんなこと言うたかて、ここ単純温泉だってさっき聞きましたよ。

 ほぼ完全な無色透明で、ゆらゆら揺れているとはいえ、十分に見えちゃうでしょうよ。

 っていうか、そんな、お湯の中でゆらゆらと揺れているひじきみたいな海藻みたいなもん見させられて、見る方も楽しいんすかね。幾ら俺のコアなファン向けといっても、これには流石に付いてこれないんじゃない?

 ……あ? うっせえわ、ボケ。デブはちっこいときには埋もれちゃってて毛の方が完全に長いんじゃ。(他のデブはよう知らんけど)

 シャワー浴びると貞子みたいに前髪だら~んみたいな風貌になるんじゃい。良く覚えとけ。嘘、




 そんなこんなで、いわゆる普通の温泉レポ以外に、なんだかやたらとHなシーンばかりを撮りたがるカメラマンのせいですっかり湯当たり? 湯疲れって言うんですか? のぼせてしまったわけで。

 130kgを超える巨体がのぼせるってことは冷めて平常に戻るのに物凄い時間が掛かるわけですよ。

 やっとこOKもらって、こちとら、ひぃこら言いながら風呂から出てグテってたわけですわ。

 『体裁気にしい』であるはずの俺が、着るもんも着ずに脱衣所でぐったりしてたもんだから……

 ……やっぱりカメラが我輩のゆだってだらけた全裸体をシュートしにくるのだった。


「それは流石に(テレビ放送としては)流せへんやろ?」

「プライベート、プライベート」

 楽なお仕事なのかと思ってたら、こいつらのせいで撮影時間が押して押して(※延びて)、結局とんだ重労働じゃん。


 割に合わへん。


(こちらは体験版です)

第2章 収録終わったと思ったのに


(こちらは体験版です)

第3章 浴びせ倒し裏


(こちらは体験版です)

第4章 あと11回あります!?


(こちらは体験版です)


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温泉浴びせ倒し

山野 純三 平行世界 3


OpusNo.Novel-046
ReleaseDate2018-02-08
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
共有、アップロード等はしないでください。

(こちらは体験版です)

以下のリンクからこの作品を公開している各サイトに直接移動することができます。

温泉浴びせ倒し - BOOTH


温泉浴びせ倒し - DiGiket.com


温泉浴びせ倒し - DLsite


温泉浴びせ倒し - FANZA