理科生物反射実験 (体験版)

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 アイルビーバック。『保健実技演習』の悪夢が再び俺を襲う。

 今度は理科! 生物、反射の実験。

 生身の人間、それも生徒を相手に『射精』の反射を起こさせる実験をしようだなんて、この学校の先生達はいったいどうなっているんだ!?

 しかも、周到に用意されたレシピと実験器具、わざわざ俺のサイズに合わせたコンドームで計画的犯行がバレバレ。最初から俺狙いじゃん!

 自棄&諦めでまたもや公開射精させられてしまった俺だったが、実験というお題目ゆえか達成感は得られないまま授業時間が終了してしまった。


 先生よりも歳取って見える風貌をした同級生の柴崎が悶々としていた俺の気持ちを汲んでくれて、俺をトイレの個室に連れ込んで抜きに掛かってくれたのだが、なんと、その一部始終を覗き見られていたというありえない展開に。

 俺はいったいどれだけ他人に射精を見られなければならないんだ?


【主な登場人物】




【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 理科・生物 反射実験

第2章 出歯亀参上

奥付

第1章 理科・生物 反射実験

「今日は生物の勉強をします」


 なんてことない、いつもの授業の風景。

 真面目に授業を受けるつもりでいても、午後も2コマ目となる6時限目ともなると、いくら休み時間を挟んでいるとはいえ、集中力を持続するのが難しい。

 日差しも真っ盛りを過ぎて少しぼんやりとしてきた感じ。寒い冬場とはいえ、太陽の光をたっぷりと浴びて熱を蓄えた分厚い鉄筋コンクリートと、閉めきった窓に差し込む角度の浅い日差しと、教室内の人口密度、それに、各生徒の基礎代謝の多さ、いわゆる熱気とか湿度とか匂いとか、様々な要素が、まどろみに相応しい環境を作り出している。

 要するに、眠い。


 冬場なんて、特に寒くて身体が強張っていることが多いから、緊張が解れるような温かさを得られると即座に緩む。

 それに、とはいえ、窓を開けていられるほど暖かいわけではないので、ずっと閉め切っているものだから、慢性的に酸素が不足しているのだ。

 とにかく、眠い。


 それでも、こんな安穏とした学校生活を取り戻せたのは、ほんのつい最近のことだ。

 何せ、あの悪夢のような『保健実技演習』。

 たった一人、実演者という名のモルモットにされて、全裸で公開オナニーさせられたうえに、クラス中の男に、局部も含めた身体中のあちらこちらを弄られ玩ばれる、というとんでもない事件(あれを授業とは、俺は絶対に認めない)に巻き込まれたのだ。

 結果、授業時間内に3発も射精させられたという、忘れようにも、忘れられない出来事になってしまった。

 下手したら、その後イジメにでも発展しかねないような酷い扱いを受けたわけだが、クラスの人間が揃って優秀だったと言うべきなのか、幸い、バカにされるようなことは全く無かった。


 かといって、何も無かったかのように普段通り、というわけにももちろんいかなかったのだ。

 自分で言うのも何だが、やはりその、派手な射精っぷりと、日本人としては正直大きいと言わざるを得ないレベルにあるちんぽが、話題にならなかったと言えば嘘になる。まぁ、厳密には俺はトンガとのハーフなんだけど。


 この歳で、いや、歳関係無しとしても、俺がこの辺り特に発達し過ぎているというのは間違いの無いところで、特にまだ毛も生えていない、精通もしていない、もちろん剥けてもいない、という完全に第二次性徴前の奴なんかは、『俺、本当に出水田みたいになれるのかなぁ?』などと、悩み相談みたいなもんまでしてくる。

 精通済みの奴でも、『俺、小っこ過ぎないか?』とか、『どうやったら、連続で3発出せるのか?』とか、まるで俺が保健の先生にでもなってしまったのではないかと錯覚してしまうような感じで、みんなが性の悩みを相談してくるのだ。


 それがようやく、ここ最近落ち着いてきてくれた。

 そうして、受けていた平和な理科の授業。

 まさか、あの悪夢が再び、こんな教科でカムバックしてくるとは思わなんだ。

 はっきり言って、ここの学校の先生達は、とち狂っている。




「今日は反射について学びます。人には様々な反射がありますが、例えば、座っている状態で膝小僧の皿よりも下の部分をコンと叩くと、足が跳ね上がってつま先が持ち上がります。このように、何か特定の条件で決まった反応が起こることを『反射』と言います。ちなみに、今の例は『かっ』という病気の診断に使われていた反射で、この反射が起きない人は『脚気』と診断されたわけですね」

 あぁ、ビタミンBだかが不足していると起こりやすくて、江戸時代では結構ポピュラーな病気だったんだっけ。今は栄養状態がそこそこ改善しているから、実際にお目にかかることはあんまり無い病気だね。

「他に『反射』の例を挙げられる人、いますか?」

 あぁ、いっぱいあるけど、いまいち眠いんで、ちょっと聞き流そう。


 ……


「そうですね、『くしゃみ』も『反射』ですね。ただ、『くしゃみ』は突然出る場合もあれば、出るまでに時間が掛かる場合もありますね。例えば、こよりで鼻の奥を刺激して、わざと『くしゃみ』を出させようとする場合なんかは時間が掛かりますよね。すぐに起こる『反射』が多いなかで、時間が掛かる『反射』はちょっと珍しいです。他にも、『時間が掛かる反射』を思い付く人はいますか?」

 聞き流してはいたのだが、俺はつい、瞬時にあることを思い付いてしまい、眠気が一気に吹っ飛んでしまった。

 そう、言わずと知れた、あれだ。


 かといって、その思い付いたものを発表しようだなんて、とてもそんな気にはなれない。

 当たり前だろう。俺が思い付いた『時間が掛かる反射』とは『射精』のことだからだ。

 仮に、『射精』そのものは発表しても良いものだとしてみよう。

 でも、それを俺が言うのだけは、絶対に拙い。

 あの『保健実技演習』に、上乗せになりかねないからだ。


 俺はドキドキと小汗をかきながらも、教室の様子を伺っていた。

 なんでも良いから、他の生徒が何かしら発表してくれないだろうか。

 そんな風に思っていたところに、

「出水田くんは何か思い付かないかな?」

 何・で、そ・こ・に、ピ・ン・ポ・イ・ン・ト・で、俺・へ・の、名・指・し・が、来・る!?


「あ、あの、その、何も思い付きません」

 俺は思いっきり嘘を吐いた。

 流れろ! この設問、早く流れろ!

 俺は強く念じる。


「あのね、多分、君らくらいの年頃だと、もの凄く興味があるであろうことが、『時間が掛かる反射』であると言えますよ」

 う……。まさか、先生自らが、そこに持っていこうとするとは。

 流れねえのか。先生、流す気無いのか。というか、狙ってるのか?

「『くしゃみ』は身体の上の方で起こる『反射』ですけど、身体の下の方でも『時間が掛かる反射』がありますね。どうかな? 出水田くん?」

 あぁ、これは、狙われてるわ。俺、確実に狙われてるわ。

 先生、しつけえよう。俺に振るなよ。俺、このネタをこの教室で引っ張るの、嫌なんだよう。


「さっぱり、見当も付かないです」

 俺はさっきよりも白々しく、しらを切り通した。

「そうですか。出水田くんなら分かると思ったんだけどなあ」

 先生も異様に白々しく返してくる。

 こういう茶番と、一見会話しているようでいて、実は全く一方的に流されていくだけの雰囲気って、あのときと一緒だから、トラウマが蘇ってきてしようがない。


「下半身で『時間が掛かる反射』と言えば、そうです、『射精』、ですね。『射精』も突然起こるケースも無いわけではないのですが、通常はある程度時間が掛かってから起こる反射ですね」

 あーあ、俺が誘導尋問に乗っからなかったから、ついに先生自ら言っちゃったよ。つうか、先生、絶対この話に持ってくるつもりだっただろ?

 やっぱり、既定路線じゃないか。

 俺はもう、この授業とは無関係でいたかったので、ことさら他人事の素振りをして窓の外を眺めて、授業が耳に入っていない体を装った。


「というわけで、これから、その『反射』について、実際に実験してみようと思います」

 何ーーーっ!!

 俺は思わず、危うく声に出して叫びそうになってしまっていた。

 とても、聞き捨てならない。

 またか! またかよ!! またなのかよ!!!

 『射精』に興味津々なのは、俺らよりも、先生達の方なんじゃねぇか?


「それでは今から、理科実験室にみんな移動しましょう」

 ガヤガヤとざわめきながらも、意外に素早く移動してゆく他の男子生徒達。

 やはり、他の奴らもあの日の再来を予感している。そんな気がしてならない。

 俺は唖然呆然として、その場でみんなが教室を出て行くさまを傍観者のように眺めていた。

 あぁ、気が遠くなる……。


「出水田、早く行かねぇと最後は目立つから、またご指名されかねないぞ」

 柴崎が教室の出口でこちらを振り返り、声を掛けてくれた。

 お陰で、俺は少しだけ現実を取り戻した。

「ぐ……、し、柴崎、それを言うな。い、い、急ぐぞ!」

 俺と同じ最後列で隣の席に居る柴崎は相変わらず先生達よりも中年然とした顔で、生徒と言うよりは用務員のおじさんが授業を受けているみたいな感じだ。

 だけど、柴崎はやっぱり俺と同い年なのであって、脂ギッシュなテカりの質が、良く見るとちゃんと若かったりもする。

「今度こそは、俺が指名されても、お前に譲るからな!」

「ぃや~だね」


 出遅れたこともあって、結局、理科実験室への到着は最終グループとなってしまった。

 でも、最後じゃない。俺は最後にはなるまいと、柴崎には先を譲らず、実験室の手前で割り込むかのように前へ出たのだ。

 息を切らせて入室すると、早い奴らはすっかり着席を済ませていて、いつもよりも格段に熱心に授業を受けようとする態度を明確に示している。

 そして、一斉にこちらに向き、集中する視線。なんか、期待感に満ち溢れてキラキラと瞳が輝いているような気がするのは、俺の気のせいか?

 でも、今日の実演者は俺じゃないぞ。

 今日の実演者は、俺の後ろに居るぜえ。

 俺は得意気に左手握り拳から親指を突き出して、後ろの柴崎に振り向けた。どやぁ。


(こちらは体験版です)

第2章 出歯亀参上


(こちらは体験版です)


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理科生物反射実験


OpusNo.Novel-034
ReleaseDate2016-05-15
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

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共有、アップロード等はしないでください。

(こちらは体験版です)

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理科・生物 反射実験 - BOOTH


理科・生物 反射実験 - DiGiket.com


理科・生物 反射実験 - DLsite


理科・生物 反射実験 - FANZA