ズリ友 体験版
【まえがき】
※[ご注意ください]
【あらすじ】
よりによって、授業中に3発も射精させられたとんでもない日に、そのうちの2発分を扱いていたそいつが『放課後、俺に付き合え』と紙切れを寄越した。
同い年のくせに、俺の大好きな脂ギッシュメタボハゲオヤジな風貌を持つ柴崎の方から誘ってもらえるなんて。
今日はなんて(射精に)忙しい日だ!
……ってか、それ本当? 冷静に考えれば、『んなわけねーだろ』って気もするんだけどな。
いつもと同じ、一緒に歩く帰り道。俺はずっとドキドキしっぱなしだった……。
【主な登場人物】
「ほ、本当に、やるのかよ?」
『放課後、俺に付き合え』という紙切れ。
授業の合間に柴崎から渡されたこの紙切れは、今までだったら、一緒に帰って遊ぶだの、一緒にどっかで道草食うだの、といった程度のことを指す意味合いのものでしかなかったはずだろう。
しかし、この紙切れを渡された僅か一つ前の授業で起こったことは、この紙切れの在り方を全く異なるものへと変貌させてしまっていた。
保健実技演習。
たった一人、実技演習の代表として指名されて、公開オナニーをさせられるハメになった俺は、結局、授業時間内に射精した三発の全てを他人の手により導かれてしまった。
そのなかの二発目、三発目、の計二発が、この、紙切れを渡してきた柴崎により扱かれて抜かれたものだったのだ。
柴崎 竜生(しばさき たつお)。
俺が奴の存在に気付き、気に掛けるようになったのは、中一の終わりくらいのことだった。そのときはまだ、俺と柴崎は別々のクラスであって、奴の方も、俺の存在くらいは知っていたかもしれないが、特にこれといった接点は無かったものだった。
ただ、俺の方は、奴の存在に気が付いてしまってからというもの、奴のことが気になって気になって仕方がなかった。
中学校の、それも、先生ではなく生徒に、あんな奴が居ただなんて。
俺は学年が上がるときのクラス替えで同じクラスになるように、必死に祈っていた。祈りが通じたときは、思わず重力が数分の1になった気がするくらい、しばらく宙に浮いていたっけ。
俺はドキドキと緊張しながらも、すぐさま柴崎に声を掛けていた。
席を決めるときには、真っ先に発言して、席を確保した。奴を道連れにして、隣同士になるように誘導したのだ。
「どうせ、俺や柴崎なんかは前に居ると、後ろの奴が『黒板見えない』とか言い出すだろ? だから、俺らは一番後ろに行くよ。最後列の窓側の隅っこは俺らで確定ね」
確かに、柴崎も中学二年生としてはかなりの巨漢であったのには違いはなかった。
しかし、実際は俺ほどデカいわけではなく、比べてしまえば明確に俺よりかは小さかったので、果たして、俺が障害物扱いされるのは確定だとしても、柴崎までもが同じ扱いを受けるのかどうかは、正直、微妙なところだった。
だけど、そこを、俺が半ば無理やり柴崎を俺と同じカテゴリーに分類して、さらに、その勢いで隣同士の席まで強引に確保したのだ。
それからも、どうにかして奴の気を引こうと、俺は奴に話し掛けまくった。おもてなしするみたいに、気分良く話が進むようにと気を遣いまくっていた。
甲斐あって、奴と仲良くなってからは大分経つ。というか、俺が勝手に柴崎のことを好きになっていて、俺の一方的な猛烈アタック(といっても友達としてだよ)で距離を詰めまくった結果、今では奴も俺を親友と認めてくれている間柄だ。
ハーフでキラキラネーム、デカ、デブ、ゲイ、オヤジ専と、この日本でマジョリティの利権によるお気楽な人生を過ごすのとは全く正反対の道を辿っている俺からしたら、柴崎は羨ましいほど普通の日本人。……なんてことは全然なかった。
中学二年生にして既にM字ハゲの兆し。さらに、前頭から頭頂に掛けても既に薄毛という、中年のような出で立ち。顔も妙にテカっちゃったりして、脂ギッシュでエネルギッシュ。男性ホルモン出過ぎ系の中年オヤジのような中学生なのだ。
もちろん、肉付きもなかなかのもので、しっかりメタボでもある。腹はそんなに出てはいないのだが、あっちこっち全部がボールドな感じで、むっちりもっちりなのだ。制服さえ着ていなければ本当に年季の入った中年にしか見えない、完璧な中年ルックスの中学生だ。中学二年生というよりは中学中年生と呼んでやりたいところだ。あ、ただ、肌やなんかはやっぱり歳相応に若いけれども。
そんな彼には『竜王』というあだ名が、俺と同じクラスになる以前から存在していたことを、以前柴崎と同じクラスだった奴から聞いた。
ご本人は嫌がっているので非公認だが、まぁ、ほら、例の有名なゲームの竜王もM字ハゲっぽいと言えなくもないし、名前の字面も似ているんだよね。でも、まぁ、地名でもよくある名称だし、将棋とかでもある名称なんだから、そんなに悪いもんでも……、と俺は思うのだが、奴のことを『竜王』と呼んだら軽くキレられるのが定番のリアクションだ。
それはそれとして、俺はまた別の発見してしまった。この容姿に、この名前の字面が、あの、悪役をよくやる役者さんに似ているということを。苗字は完全に一緒だし、もしかしたら、奴はその役者さんのご子息様なんじゃないかと、俺は密かに疑っている。まぁ、違うんだろうけど。
違うんだろうけど、もし万が一そうだとしたら、親父さんとも是非お知り合いに、お近づきに成りたいなあ。
いや、違っていても、柴崎の親父さんなら興味深いことに変わりはない、ア~ンド、非常に期待が持てるところだ。
「とりあえず、一緒に帰ろうぜ。おれん家に寄ってけよ」
と、そんなわけで、訪れた柴崎の部屋。
俺にしろ、柴崎にしろ、日中は親が仕事で居ないため、家は留守。古い言い方をすると『鍵っ子』だ。
だから、学校帰りにどちらかの家に寄って遊んでいることがままある。今日は柴崎に誘われるまま、柴崎ん家の部屋まで来た、というわけだ。
(こちらは体験版です)
ズリ友
OpusNo. | Novel-033 |
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ReleaseDate | 2016-04-01 |
CopyRight © | 山牧田 湧進 |
& Author | (Yamakida Yuushin) |
Circle | Gradual Improvement |
URL | gi.dodoit.info |
個人で楽しんでいただく作品です。
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(こちらは体験版です)