い~じ~め~る/逃げない大人 体験版

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 マルのふとした疑問から語られることになった、明水山関(糟谷先輩)と明櫻関(柿沼先輩)の馴れ初めの話。

 イジメたつもりがひっくり返されて、たった一文字『来』とだけ書かれた簡単なメールで呼び出され、制裁を受けるようになってしまう。

 しかし、そこからまた、劇的な変化が生じて……。


 さらに、芋づる式に過去が振り返られて、同校相撲部出身の同部屋関取四人衆はそれぞれが暴露大会のような様相に。


 (『流星』『がぶり寄り』『がっぷり四つ』に続く後日談的作品です。)


【主な登場人物】




 


【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 ふとした疑問

第2章 い~じ~め~る

第3章 おませさん

第4章 逃げない大人

第5章 暴露大会

奥付

第1章 ふとした疑問

 ある日、僕(登錦(丸山 守))は何となく気になっていたことをマサ(登龍関(佐野 将之))に聞いてみたんだ。


「ねぇ、マサ。水山関と櫻関がいつの間にか良い仲になっていたみたいだけど、いつぐらいからなのかな?」


 同じ部屋の関取と話しているときは、関取の名前を略称で呼んでいることが多い。ここで言う『水山関』と『櫻関』は、ともに先頭に付く『明』の字を省略している。僕やマサの場合は『登』の字が省略されて『錦関』『龍関』と呼ばれるようになる。

 明水山関(糟谷 崇幸)と明櫻関(柿沼 真稔)は同じ高校の相撲部の一年先輩でもあって、登龍関と同学年。逆に言うと、僕だけが一学年下の後輩に当たる。

 その、明水山関と明櫻関が、ともに十両に昇進して関取になったときに、部屋の個室が足りなくなって、僕が外に借りましょうかと話をしようとしたら、二人は一つの個室に同居すると言い出したのだった。

 つまりはそれ、それだけ仲が良いってことだ。

 そして、そのすぐ次の場所に幕下付け出し10枚目格で全勝優勝したマサは僕と同居することになったのだが、つまりはそれ、以下略。


 マサは糟谷先輩と柿沼先輩とも同じ学年なだけでなく、その年の主将でもあった。糟谷先輩は副将で、柿沼先輩も団体戦では必ずメンバーに入る、いわゆるレギュラー枠の部員だった。受験期に入るギリギリまで部活動で後輩の指導に当たってくれて、僕だけの特訓に付き合ってくれたのもこの三人だった。

 そんな、僕から見たら親密そうに見えていた三人組だったから、マサだったら糟谷先輩や柿沼先輩のことに詳しいだろうと思ったのだ。

 ちなみに、僕がマサのことだけ、佐野先輩と呼ばなくなっているのは、マサに頼まれたからだ。

 学生時代は一学年違っていたものの、実は生年月日に18日間しか差が無いこともあって、マサは僕と同格であることを望んだのだった。


「う~ん、正直、俺も良く分からないんだよねぇ。入門と進学で進路が別れて、俺が大学行っていた間は離れちゃってるから分からないし。そもそも、高校の相撲部で一緒になったときには既に仲が良いっちゃ良かったからなぁ」

「え? 入部前にもう仲が良かったってこと?」

「いや、マルの言っている『良い仲』かどうかは知らないよ。でも、あいつら、中学も一緒だから」

「え? 糟谷先輩と柿沼先輩って同じ中学だったんですか」

「あぁ。何だったら、直接あいつらに聞いてみようか。俺もなんか気になってきたし」

「え? 大丈夫なの? そんなこと、軽々と」


 しかし、マサは高校の三年間を糟谷先輩と柿沼先輩と同期の相撲部員として過ごしているのだ。しかも、マサは主将。何も怖気づくことなく、マサは二人に聞いたのだった。

「なぁ、お前らの馴れ初めってどんなんだったの? ってか、いつからデキてたの?」

「何を藪から棒に、っつうか」

 明櫻関が即座に返すと、

「何を今更って感じもするけど、そうか、錦関はもちろん、龍関も知らないのか」

 明水山関が継いで返した。

「いや、最初から仲が良いなとは思ってたけどさ。しかも、マルの特訓であんなことに付き合うくらいだから、うーん、でも、部屋に入門してから、か?」

 マサは答えを待たずに勝手に推理を始めている。


「ま、元々は俺、水にイジメられてたんだけどさ」

「「はあ!?」」

 突拍子もない明櫻関の台詞に、マサも僕も、驚きを禁じ得なかった。

 ムスッとして見えることが多い、むくれた不貞腐れ顔の明櫻関。見た目からすると明櫻関の方がやんちゃな悪ガキ風の顔付きをしているのだが、それが、ナリは完全に大きいものの清楚な感じにも見える顔付きの明水山関にイジメられていたとは?

 一方で、僕等の驚きなど意に介さず、

「お前が下らない悪さをしてたからだろう?」

 と、淡々と明水山関は明櫻関に返していた。

「まぁ、そのとおり。全く否定できないんだけどな」

 ああ、明櫻関の悪ガキは間違っていはいなかったのか。しかし、イジメとはどういうことなのだろう? 最初から仲が良かったわけじゃなかったのだろうか?


「訳分かんないし、その話面白そうだから、俺達に教えてよ」

 マサが興味津々に聞き出そうとする。すると、

「うーん、そうだなぁ」

 明櫻関が腕組みをしながら首を捻って目を瞑った。


(こちらは体験版です)

第2章 い~じ~め~る


(こちらは体験版です)

第3章 おませさん


(こちらは体験版です)

第4章 逃げない大人


(こちらは体験版です)

第5章 暴露大会


(こちらは体験版です)


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い~じ~め~る/逃げない大人


OpusNo.Novel-030
ReleaseDate2016-01-11
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

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(こちらは体験版です)

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