流星 体験版

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【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 かつて、空前の相撲ブームが起きた。俺はその主役たちより数年早く入門し、僅かに年上で、番付も先行していた。しかし、俺は自分の不祥事とブームの主役たちからの陵辱により、出世街道から外れていってしまう。手の中にあったはずの白星がさらさらと流れていく。しかしその一方で、情事は形を変えて続いていった。


【主な登場人物】






【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 天狗の鼻を抜かれる

第2章 協調して調教される

第3章 ささやかな逆襲

第4章 形を変えて花は開く

第5章 与える身へと

奥付

第1章 天狗の鼻を抜かれる

 今思えば確かに、あのとき俺は有頂天だった。世代交代と声高に叫ばれる時代の急先鋒。

 五年前に入門して、四年足らずで関取に。もちろん部屋の出世頭、同期の出世頭でもあった。十両は三場所で通過。新入幕で負け越して一場所で十両に戻ったものの、そこで大勝ちしてすぐに幕内復帰すると勝ち越しを続けて三賞と新三役も手に入れた。

 世代交代が急に叫ばれるようになったのは、世間の注目を集める三人組が入門し、破竹の勢いで出世してきたからだった。

 そのうちの二人は元大関で現在部屋を持つ親方の息子兄弟。

 もう一人は当時流行りの外国人力士でとにかく身体が大きくて手足が長かった。あの身体で突っ張られると、ほとんどの力士は廻しに手が届かなかった。


 三人の番付が近付いてくると、俺にも注目が集まるようになった。俺には三人ほどの華は無い。でも、三人に比べれば地味かもしれないが、俺の出世のスピードもかなり早い方で、注目に値するものではあった。それに、絶対的な番付ではまだまだ俺の方が上で、世代交代の枠組みの中では切り込み隊長的な位置付けと見られたのだ。

 稽古にも気合いが入り、星取も順調とあれば、文句を言う人などいなく、我が儘し放題だった。その中で俺は、プライベートで重大なミスを犯した。

 当時、相撲ギャルと呼ばれた素人の女性達に誘われるままに事をして、妊娠が発覚。しかも、二人ほぼ同時の発覚だった。けじめを付けて結婚に踏み切ろうにも、いずれか一方には引き下がってもらわないといけなくなった。


 方々から叱咤を受けた。当時の俺はそれでもまだピンときていなかった。望まれたから、そのとおりにしただけなのに、なぜ、急に俺だけが叩かれるようになったのか、ただただ面食らっていただけだった。

 失礼ながら、親方も学があるとは言えない方で、諭されたというよりは言いつけられた、といった感じだった。しかし、俺が納得も理解もできていなかったことは親方にも分かっていたようだった。

 俺は部屋の関取の中では一番若かったが、新関脇で既に部屋頭、当時部屋には俺を含めて七人の関取が居る角界最大規模の部屋だった。

 謹慎を言いつけられて、どこにも出掛けることができなかった俺は仕方なく個室でマンガを読んでいた。




「入るぞ」

 声の主は部屋の最年長で、俺が部屋頭になるまではこの部屋の部屋頭でもあった関取だ。寡黙な努力家で、俺とは正反対。でも、生意気だった俺は、その性格が今一つ上位に登り詰めきれなかった要因なんじゃないかと思っていた。

 関取はほとんど言葉らしい言葉を発しないまま、部屋に入り、扉を閉めると、胡座をかいていた俺の傍に、しかし、向かい合うわけでもなく、横に並ぶわけでもない微妙な位置取りで腰を下ろした。


「どうしたんですか?」

 沈黙に耐えきれずに発した俺の言葉には答えずに、関取はマンガを開いていた俺の腕の下をくぐって手を伸ばしてきた。

「ちょ、ちょっと、何なんですか?」

 関取がやっと口を開く。

「黙って空になるまで出せ」

 普通の人なら、すぐには何を言っているのか分からないと思われるが、俺は自分で言うのもなんだが若干頭の回転が速い。その分、脊椎反射のような考えの浅い答えを返してしまうこともままあるのが玉に瑕だ。いずれにせよ、俺はその意味をすぐに分かってしまった。

「ぇえっー? 無茶言わないでくださいよ」

 そのままの俺の姿勢ではやりづらいのか、関取が俺の上体を小突いて倒す。同時に胡座に組まれていた足が解けて投げ出される。

 関取はまただんまりのまま、俺の浴衣の間を縫って股間へと手を伸ばし、褌の布を引っ張ってゆとりを作ると、俺の暴れん坊を引きずり出した。

「無理ですよ、こんなの」

 そう言う俺の、マンガを持ったままの両手の上に、ドサッとエロ本が放り投げられた。

「本当にやるんすか?」

 関取は無言で俺を扱き始める。俺は仕方なく、マンガを脇に置いて、エロ本を開いて見た。若さと元気で頂点を極めていた俺はあっさり勃起した。

 関取は決して上手いとは言えなかった。しかし、目的は出すことであって、気持ち良さを追求することではない。

 ところが俺にも壁はあったみたいだ。裸なんて見られ慣れているが、流石に先輩関取に扱かれて射精するというのはそう簡単にはできない。


「出さないと何時まで経っても終わらないぞ」

 言葉少なに警告を受ける。俺はエロ本をすっぽりと顔に被せて意識を集中した。

「ん、ぐっ、出ます」

 あまり大きさには自信がないが、若さ溢れる暴れん坊は力強い躍動を繰り返して大量の精液を噴出した。しかし、……


「……こりゃ、もう一回だな」

 俺は慌てて、顔に被せていたエロ本を持ち上げて、

「まだ許してもらえませんか?」

 関取は俺を扱き続けながら、

「まだ、こんなに元気じゃねぇか。こんなんじゃ終わりにできねぇ」

「毎関が扱き続けるからじゃないですか」

「アホか。ちっとも萎む気配が無いから、諦めて扱いてんだ」

 グチュグチュと俺が出した精液も一緒くたに扱かれる。これはヤバい。乾いて粘り気が強くなり過ぎる前にイカないと、ずっとイケなくなってしまう。長期戦、延長戦の経験も結構ある俺には身に覚えがあった。

 俺はパラパラとエロ本をめくって好みのカットを見繕うと、がつっと映像を脳内に固定して再びエロ本を顔に被せた。

 ……ちょっと痛い。でも、出してしまわないと、もっと痛くされてしまう。俺は懸命に出そうとした。

「……ふぅん、ぐぅ」

 ちょっと唐突に来たために宣言ができなかったが、なんとか二発目を出すことができた。これで少しは萎えてくれないとまずい。俺は急いで萎えそうなことで頭の中を埋め尽くす。


「……こんなもんか」

 やっと関取の手から解放される。

「おイタするんじゃねえぞ」

 それだけ言って、関取は汚れた手もそのままに出ていってしまった。

 自分のモノを見てみる。ちょっと赤く腫れた感じでヒリヒリと痛む。……上手くはなかったもんなぁ。でもまぁ、半日も経てば、薄皮がペリッと剥けて元に戻るだろう。




 翌日には、都合があって俺より初土俵が一場所遅いものの同い年でもあり同期と言って差し支えない河関が俺の部屋に来た。

 河関は俺ほどではないものの、既に入幕を果たした出世の速い将来有望な力士だ。身体に恵まれていて、極端な話、四股を踏んでいるだけで強くなれるタイプだ。顔にも恵まれていて非常にモテる。しかし、不思議なほど身持ちの堅い、堅実な性格をしていた。この穏便な性格のせいで期待よりも出世が遅れていると良く言われる。


 河関は流石に無言で俺に手を伸ばしてくるようなことはなかった。

「これからお前を抜かなきゃいかん」

「えっ? 昨日の毎関でおしまいじゃないのか?」

「交代で当番制だ。お前が再び過ちを犯さないように、溜めさせるなというのがお偉方の意向なんだ」

「なんだって? 交代って誰が担当するんだ?」

「とりあえずは部屋の関取衆で連帯責任を取って当番を回す。でも、もしお前がまた何かやらかしそうになったら、若い衆にもやらせるからな」

「なんてこった。関取全員に恥ずかしいとこを見られなきゃいけないのか」

「お前が悪いんだろう。俺達だってこんなことしたくねぇよ」

「おかしいってこんなの」

「お前がきちっと反省しないのがいけないんじゃないか」

「俺、まだ何がいけないのか今一つ分かってないんだよね」

「だから、溜めさせないようにしなきゃいけないんじゃないか」


 河関は最初、俺の背後に座って手を回そうとした。手は届くには届くが、伸びきった状態に近くてやり辛そうだった。

 冷静に言うのもなんだが、大きな身体を持つもの同士では位置取りが難しい。結局は、崩れきった胡座とも言い辛いような座り方をした河関に対して中途半端に横を向いた形でぴったりと寄り添って、上体を倒して寄りかかった。

「なんか、耳掻きでもしてもらうみたいだな」

 ちょっとした冗談のつもりだったが、

「違うもん掻くんだろうが」

 怒られてしまった。

「すんません」

 謝ると同時に俺のは引っ張り出されて、ゆるゆると刺激される。

 あれっ? こいつ、上手い……? 俺は不思議に思った。相撲は今一つポイントを掴みきれていないような勿体無い取り口が多いのだが、今の手指の動きは繊細かつ丁寧で、俺はおかずが無くても充分に射精へと向かって進んでいた。

 俺はぼーっと河関を眺めながら思っていた。勿体無いなぁ、こんな繊細で丁寧な相撲が取れていたら、河関の身体ならとっくに横綱を狙える位置にいてもおかしくないのに。

 ……よく見ると、やっぱりイケメンなんだな。顔が整っていて、肌も綺麗だ。俺ですらあれだけ言い寄ってくる女が居るくらいだから、河関のモテっぷりは半端ないはずだ。でも、こいつは堅くて、俺みたいな浮いた話を全く聞かないんだよな……。


「ぁ、ふ、……ぅ、ん」

 俺はつい吐息を漏らす。気持ち良い……、もう、イキそうだ。そう思ったとき、俺は急に気恥ずかしくなった。

「見詰めるなよ。恥ずかしいじゃないか」

 俺は顔を真っ赤にして言ったが、

「バカ、お前がずっと俺を見詰めているんだ」

 と、返された。

 俺は恥ずかしさに目を瞑った。何を想像したわけでもなかったが、気持ち良さはどんどん高まっていく。

「ああっ、恥ずかしい」

 俺はそのまま放出する。大太鼓をどんどんと打ち鳴らすような大きく堂々とした脈動。それが堂々と終わりを迎えても、河関は手を緩めてくれなかった。

「河関、キツいよ」

 俺が抗議しても河関は聞き入れてくれなかった。

「お前が一発抜いただけじゃ足りないってのは、聞いているからな」

「ぐっ、だからって、連続でしなくたって……」

 そうは言いながらも、萎えない俺も俺だ。

 ふと視界の端をよぎった河関の顔ははっきりとは見えなかったが、赤みを帯びていた。今にして思えば、単にずっと手を動かしていたからだという気もするが、何だか色っぽく感じてしまって急に感度が復活する。


 俺は河関を見上げて言った。

「凄いな、お前いつもこんな風に自分でしてるのか」

 紅潮していた河関の顔がさらに赤く興奮の色を見せる。

「バカなこと言うな」

 それだけ言って、相変わらず俺を扱きながらだんまりした河関はなんだか可愛く思えた。

 俺はなんとなく河関をじっと見据えたまま、二度目の射精を迎えようとしていた。

「くっ、もう、出る、出るよ」

 俺は河関を見詰めながら語りかける。河関の方が逆に恥ずかしさに耐えられなくなって赤い顔を背けた。

「あぁ、イク」

 俺はずっと河関を見ていたが、若さ溢れる射精は視神経を直撃して視界がキツく歪む。目を開けていることがしんどくなるほど脳内がスパークしている。


「……これで少しは大人しくしていられるか?」

 やっと落ち着いた俺に河関が言う。

「大人しくどころか、なんにもできないよ」

「そうか、あんまり手間掛けさせるなよ。お前は部屋の将来を背負う力士なんだから」

 それだけ言って河関は部屋を出ていった。

 俺は言葉には出さなかったが、心の中で思っていた。部屋の将来を担うのは俺じゃなくて河関、お前の方だよ……。




 それから、本当に日替わりで全ての関取が俺を抜きに来た。お偉方の意向とはいえ、よく他人の男を扱けるよなと思っていた。それと同時に、人によって結構やり方が違うもんなんだなと思った。

 そして、一番驚いたのは春関のときだった。春関は最年長ではないもののベテラン力士で、苦労してやっとここ最近十両には留まることができるようになった関取だ。


 春関は俺に仰向けで股を大きく開くように指示してきた。座布団や枕を尻にたくさん敷いて、俺はブリッジのように仰け反った形になった。嵩上げされた股の間に春関が入る。最初は普通に俺を扱いてきた。いかつい顔した苦労人らしく、河関みたいな天性の上手さなど望むべくもなかった。

 俺は天を仰いだまま、なすがままになっていたのだが、突然感覚が急変して驚いて春関の方を向いた。

 思ったいた場所に春関の姿が見えなくて、俺はもっと視線を下へと移していく。すると、少しだけ毛量が寂しくなりはじめた頭がかなり低い位置に見える。

「まさか? 春関?」

 春関はゆっくりと顔をあげる。それと同時に俺へと与えられていた快感が途絶える。……やっぱり。

「なんで、そこまで? ……」

 春関は低い位置の顔のまま、俺を睨み付ける。

「いくら抜いても、やっぱり女としたい、なんて思われちゃ意味が無いからな。女に勝つにはそれなりのことをしなきゃいかんだろう」

「だからって、そこまでしなくても……」

「いいから、黙ってやられてろ」

 春関は再び顔を下に向けた。


 なんだか、むず痒いような変な感じがする。いつの間にか、玉袋を撫でられたり、会陰部を圧迫されたりもしている。

 気持ち良さに我慢できずに漏らしそうになる。そうなったのは河関のとき以来だった。他の関取のときは正直、無理やり頑張って出した感が強い。

「あぁ、出そうです。もう、」

 合図とともに口を離して扱きに変えるものだとばかり思っていたのだが、春関はそのまま圧力を高め、スピードを上げてきた。

「ぁあ、だめ!」

 俺は手を伸ばそうとしたが、腰を持ち上げた仰向けの状態で、俺の長くはない手ではリーチが全く足りない。俺は中途半端に腕を伸ばした状態のまま絶頂を迎えた。

「ぁああぁ! ぁあ、ああ、……っが」


 出し切った。出し切らされた。絶頂の間中、絶え間なく追加口撃されていた。射出の回数が延長に次ぐ延長で、底を付くまで止むことがなかった。

 ずんと身体が重くなる。もう何をする気も起きなくて、このまま目を瞑って眠りに落ちたい気分だった。

 そんな俺の様子を知ってか、春関は無言のまま後始末らしいことも一切せずに部屋を出ていく。俺の意識はそこで途絶えた。




 そんな感じで俺の謹慎と射精の強要はしばらく続いた。そしてそんな中、俺にもう一つの災いが振り掛かる。


(こちらは体験版です)

第2章 協調して調教される


(こちらは体験版です)

第3章 ささやかな逆襲


(こちらは体験版です)

第4章 形を変えて花は開く


(こちらは体験版です)

第5章 与える身へと


(こちらは体験版です)


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流星


OpusNo.Novel-003
ReleaseDate2014-08-15
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

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(こちらは体験版です)

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