隣のおっさん (体験版)

Cover


【まえがき】


※[ご注意ください]



【あらすじ】


 ボロ安アパートの隣に住むおっさんは単身赴任のサラリーマン。ちょいデカ、ちょいデブの、どこにでも居るだらけたおっさんだと思っていたのだが、ビシッと決めた出勤姿を見たとき、その格好良さに気付いてしまった。

 夢にまで見てしまい、寝言は筒抜け。そんな僕に隣のおっさんは、怒るどころか、その夢を叶えようとしてくれた。

 見れば見るほど、格好良くて可愛いおっさん。それもそのはず。おっさんは見た目だけでなく、仕草もいちいち格好良くて可愛い。だらけていても可愛くて、それにエロい。

 そんなおっさんとの夢のような現実は次第にエスカレートしていく。


【主な登場人物】




【目次】


表紙

まえがき

あらすじ

主な登場人物

第1章 隣のおっさん

第2章 夢が現実になるとき

第3章 誘惑する小悪魔

第4章 このときを記憶に刻め

奥付

第1章 隣のおっさん

 この部屋に引っ越してきてからどうも変だ。

 毎晩のように淫夢を見る。

 人ともなんとも判別の付かないものが幾つも僕を襲ってきて、僕のさまざまなところを愛撫してくる。

 それは日に日に酷くなって、最近では、起きたときにもその感触、余韻がありありと残るようになってしまった。


 僕は秀才だ。残念ながら天才ではないが、努力で天才を超えられるものと思っている。

 僕にとって性欲なんてものは余計なものでしかない。

 セックスはおろか、オナニーなんて時間の無駄だ。

 感情で動くなんて動物がすること。レベルが低い。人間には理性というものがある。理性で動くことこそ人間の、他の生物とは一線を画する最大の特長なんだ。理性で動かずして何が人間か。


 ところが、僕の困った淫夢は一向に収まる気配がなく、それどころか、ある日を境に具体的な夢へとグレードアップしてしまった。


 隣のおっさん。僕は今まで、このおっさんのずぼらな、だらけた姿しか見たことがなかった。しかし、その日たまたま出掛けるタイミングが合ってしまって、初めておっさんの出勤姿というものを見た。

 理性で動く僕は動じない。でも、その影に隠れながらも決して消滅することのない感情はビンビンに反応する。

 (はわわわわ。格好良い! なんじゃ、このおっさん。こんな格好良い人だったのか。)

 白を基調にした淡い格子柄のYシャツ、襟元には主張し過ぎないシルバーが小洒落ている。ブラック系のスーツがビシッと決まっていて、顔付きまでキリリと完全な仕事モードだ。型のしっかりしたスーツのせいでただでさえ若干大きめのガタイの良さが強調されて、見ようによってはSPとかでもやっていそうな雰囲気を醸し出している。

「お、兄ちゃんおはよう。初めてじゃないか? 出るタイミングが一緒なんて」

「あ、そうですね。おはようございます」

「駅かい?」

「いえ、僕は学校に行くので」

「逆方向か、残念だなぁ。じゃ」

「行ってらっしゃい」

 おっさんの後ろ姿をじっくりと目に焼き付けながら見送ると、思い付いたように慌てて表札を改めてちゃんと見る。

『本間 進』

 勉学第一だったはずの僕が、その重要な記憶リソースの一部をおっさんのために費やした朝だった。


 その夜から、ずっと続いていた淫夢におっさんが出てくるようになってしまった。夢なんて見ないようにしようと心掛ければ心掛けるほど、夢は鮮やかに記憶に残るようになっていく。そんなことに記憶を費やしたくなんかないのに。毎朝、快感の余韻と共に、また同じような夢を見てしまったと項垂れながら目覚めることになるのだ。

 夢の中のおっさんはいつも僕を見詰めながら、僕を気持ち良くしてくる。

「あぁ、本間さん!」

 時には名前で呼んでしまうことも。

「進さん。凄い、気持ち良い!」

 こんな夢を見てしまうこと自体、僕にとってはダメなことだが、まだ夢で済んでいて良かった。こんなことをもし、おっさんの目の前で言おうものなら、気持ち悪がられて引っ越されてしまうだろう。


 僕は夢を見てしまう自分を毎回戒めた。それでも、夢は毎晩続く。僕はどんどんと戒めを強化し、僕の戒めはやがて夢の最中にも届くようになり、僕は夢の途中で自分を叱咤して目を覚ます。

「僕はまた!」

 こんな夜中に、周囲も憚らず大声を上げてしまった僕は、既に精神に異常を来たすほどおかしくなっていたのだろう。

 薄壁の隣の部屋のおっさんが、真夜中にもかかわらず起こされて、怒るのも当然にドアをノックする。僕はそれでハッと気付く。理性で動いてこそ人間などとうそぶいて、僕自身の行動は100%感情でしかない。こんな真夜中に大声出して、他人に迷惑を掛けて、これのどこが理性だと言うのだ。

 理性を取り戻した僕は、大慌てでドアを開けに行く。

「すみません。ご迷惑をお掛けしてしまって」

「兄ちゃん、今日は起きていたか」

「えっ?」

「ちょっと邪魔するよ」

 おっさんは中に入るとドアを閉めた。本当なら僕の部屋に他人を入れたくないところではあるが、迷惑を掛けてしまった手前、無碍に追い返すわけにもいかない。

「兄ちゃん、大丈夫か?」

 僕は怒られるとばかり思っていたのだが、逆に心配されるような言葉を掛けられて戸惑った。

「本当にすみません。以後、気を付けますので」

「いや、気を付けてどうにかなるもんじゃなさそうなんだ」

「え? それは、どういう……」

「今日はたまたま起きていたみたいだけどな。兄ちゃん、寝言でも度々大声出しているんだよ」

「え? そんな……」

 おっさんは僕の両肩に手を置いて、僕を真正面に見据えてくる。僕は何を言われるのかビクビクした。しかし、それと同時におっさんの顔がとても格好良く見えてドキドキもしてしまう。

「兄ちゃん、溜まったもんちゃんと出しているか?」

「た、溜まったもん、ってなんすか?」

「ちゃんとセックスなりオナニーなりしてるか? ってことだ」

 お隣さんとはいえ、そんなに打ち解けてもいない人から、こんなプライベートな話を振られて吃驚する。いや、多分僕だったら、どんなに親しい相手であっても、こんな話題はすることができないだろう。

 しかし同時に、おっさんからいやらしい言葉を聞いて、僕の感情はこのおっさんに見とれて、憧れて、欲情してしまう。でも、僕は理性の生き物、人間なんだ。

「そんなことしません。時間の無駄ですから」

「やっぱり、兄ちゃん、溜め込み過ぎだ」

「ど、どういうことですか」

「兄ちゃんの寝言の内容はな、全部スケベのことばかりだ」

「え……?」

「兄ちゃんが自分で抜く気が無いのなら、俺が抜いてやっても良いぞ」

 僕はふっと抱きすくめられて、感情が浮かれてはしゃぎだす。しかし、僕はさらに理性を強くして抑えこむ。僕はおっさんの中で暴れた。

「放せ! こんなことに無駄な時間を費やしたくない。僕にはやるべきことがたくさんあるんだ!」

「落ち着け、兄ちゃん。兄ちゃんは無理し過ぎだ」

!!

 突然、口付けをされて、僕の視界はガクガクと歪んだ。いつも夢に見ていたような快感。僕は身体を震わせながら、しかし、全身に力が入らなくなり、そのまま重力に引かれて崩れ落ちていく。


「……あれっ?」

「気が付いたか、兄ちゃん」

 照明を消した暗がりに、月明かりが部屋に差し込んできていて、僕の、本だらけの部屋ではないことが分かる。僕の状態は、仰向けに寝そべっているようだ。

「まったく。舌も挿れねえキスだけでイッちまう奴なんて、ガキでもいねえよ」

「え?」

 おっさんは僕から1mちょっとくらい離れたところに居る。その場所は仰向けになった僕の丁度真下だから、僕の股下の辺りになるのだろうか。

「それにまだ、こんなに元気だ」

「はうっ」

 とんでもない快感が僕の脳天へと突きつける。こんなに気持ち良いなんて。僕の最強の理性が、感情に負けた瞬間だった。

「こんなに感度が良いのに、ほっ放りぱなしじゃ、おかしくなって当然だ」

「ああっ、こんな、に、凄いなんて……」

「すぐにイッたりするなよ。我慢しろ」

 我慢するほど気持ち良い! 快感はどんどんと急勾配になる坂を登って行く。最後は垂直に上昇して、第二宇宙速度を超える。

「あーっ、ああーーっっ!!

 垂直に宇宙へと発射したはずだったのに、もにょもにょとした潤んだ膜に抑えられて、周辺に漂い流動する精液。それはおっさんの舌でにゅるにゅると掻き回された後、飲み込まれてブラックホールへと消えていった。


「兄ちゃん、良く聞けよ。俺には学が無いから大したことは言えない。でもな、人間ってのはバランスの生き物だ。本能だけの動物でもなければ機械でもないんだ。一つのことに集中できるのは大した才能だとは思うが、それ以外のことを切り捨て過ぎちゃあ、できることもできなくなるぜ。過ぎたるは及ばざるが如し、ってやつだ」

 僕は大射精後の無防備な自然体の状態で、間違ったまま暴走を続けていた理性に邪魔されることなく、本間さんの言葉はそのまま身に沁み込んでくる。

「……はい。もう一度良く考えてみます」

「それからな、これから毎日俺の部屋に来い。抜いてやるから」

「え、あ、ありがとうございます。でも、なんでそんなことまでして、僕に良くしてくれるんですか?」

 おっさんはぽりぽりとほっぺたを掻いた。

「それは、まぁ、正直、ちょっと可愛いな、って思ってたし、そんな奴が毎晩、寝言で俺の名前を呼びながら善がっているんだぜ。気になってしょうがないじゃないか」

「ね、寝言でそんなことを」

 僕は恥ずかしさで全身の血流速度が二倍に跳ね上がった気がした。

「あぁ。まぁ、気に入られて悪い気はしないんだが、流石にここのところ寝不足気味でなぁ。なら、直に抜いてやっちゃった方がいろいろと全部丸く収まるだろ」

「あ、す、すみません」

「まぁ、そんな深く考え込むな。考えることは大事なことかもしれないが、考えてもしようがないことまで考えていたんじゃ、それこそ時間の無駄、本末転倒だろう」

「あ、う、そのとおりですね。本当に、すみませんでした。そして、ありがとうございます」

「うっし、んじゃ、また、明日、ん? もう、今晩か。今晩な」

「はい! ありがとうございます。おやすみなさい」


 正直、こんなことになるなんて驚きは驚きだったのだが、理性で考えたところで、夜中におっさんを起こしてしまうくらいなら、おっさんに言われたとおり毎晩お邪魔した方がまだ、おっさんに迷惑を掛けなくて済むのは確かだった。その一方で、いつも理性に抑え付けられて不満を漏らしていた感情が、理性のお墨付きをもらってはしゃいでいる。


(こちらは体験版です)

第2章 夢が現実になるとき


(こちらは体験版です)

第3章 誘惑する小悪魔


(こちらは体験版です)

第4章 このときを記憶に刻め


(こちらは体験版です)


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隣のおっさん


OpusNo.Novel-013
ReleaseDate2015-02-07
CopyRight ©山牧田 湧進
& Author(Yamakida Yuushin)
CircleGradual Improvement
URLgi.dodoit.info


個人で楽しんでいただく作品です。

個人の使用範疇を超える無断転載やコピー、
共有、アップロード等はしないでください。

(こちらは体験版です)

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