拘束
敏感(原文ママ)スパイ竹尾齢(たけお れい)(ちくび よわい ではないので注意)が囚われてしまった!
「話す気になったかな?」
「くっころ……」
「ならば、身体に聞くしかないなぁ」
「くっ、そ、それは!?」
「そうだ、印鑑だ。直径24mmの超大判なのに名字のみ。実印にも使用可能だ」
「……失礼ですが、お名前は?」
「木下」
「き、木下! そ、その輝きは!?」
「ふっふっふっ、チタン製だ。しかも、超深掘りだ」
「な、なんだと! や、止めてくれ! 頼む! ぁああっ!!」
齢の乳首に木下の印鑑の版面が宛てがわれた。
「す、凄いっ、良いぃ! 絶妙なエッジに嵌っては抜ける深い彫り。それでいて傷付かない滑らかさも兼ね備えているっ!」
齢は危うくイクところだった。
「どうだ、話す気になったか」
「なんの、これ、し、き」
そこに木下の上司が現れた。
「吐いたか」
「しぶといやつですわ」
「なら、私が変わりにやろう」
齢は怯えた目で訪ねた。
「……そちらのお名前は?」
「渡邉だ」
「わ、渡邉! しかも、難しい方の渡邉!?」
「そうだ。ついでにこれも御見舞いしてやろう」
「ぁあっ! 止めて! 朱肉付けたて! しかも、追い朱肉たっぷり! 止めてくれえぇ!!」
渡邉は容赦なく齢の乳首に印鑑の版面を擦り付ける。
「ああぁ、この繊細で複雑な凹凸が堪らな、ぃいっ!!」
齢はついに屈してしまった。
激しく絶頂しビクンビクン震えた。
「どうだ?」
齢はやっとのことで顔を上げると、
「勅使河原さんとか、いらっしゃったりしませんかねぇ?」
図々しいことに、姓を指定した上で追加要求をしたのだった。
完
超短編小説。
昔、Twitterに「連続ツイ小説」として上げていたもののサルベージです。