縁の下と上 (ゲイ小説 作品)
奇しくも、同じ生年月日を持ち、同時期に同じ部屋へと入門した若い二人。
一緒に頑張って上を目指そうと意気込むも、二人の番付の差は広がっていく一方だった。
春元は関取に、吉内は序二段に留まったままで迎えた成人。
春元の成人祝いと称した関取衆だけの飲み会の中で吉内の話題が出ると、関取衆は吉内も祝おうと呼び出した。
しかし、呼び出された吉内は『番付も上がらないのに辞めない奴は男好き』と決め付ける関取衆に輪姦されてしまう。
春元は距離を取って無関係を装ったが、先輩関取の指図により結局は春元も吉内を犯してしまうことになった。
完全に崩壊したかに見えた二人の関係。
しかし、事態は意外な方向へと動き出し、かつて同等だった二人は、全く異なる立ち位置から同じ目標に向かって進む強固な絆を持った親友となっていく。
早い出世、大横綱、部屋持ちの親方と、表舞台をひたすら歩んで行く春元。
その縁の下には、序二段止まりの、しかし、春元には欠かせない唯一無二の相棒、吉内の存在があったのだった。
■ 章構成 ■
成人祝いという名の輪姦
同期の桜に溝が掘られて
同じ縁から、縁の下と上、へと
守り守られる関係
二人のもう一つの転機
並んでお茶でも
全6章構成で、文字数約28K、A6文庫サイズのPDFで96ページとなっております。
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吉内は額に汗しながら、執拗に春元を強張らせ、喘がせた。
春元は必死に右半身を突っ張らせて堪らえようとする。
第5章「二人のもう一つの転機」78ページより
「次は春元の番だぞ」
まるで、別の遮られた空間に居るかのように、離れた場所から無言のまま傍観者で居続けていた春元に、突然、関取からの声が掛かった。
春元は一瞬にして、当事者に引き入れられ、共犯者として巻き込まれた。
第2章「同期の桜に溝が掘られて」24ページより
「春ちゃん、僕に抱かせてみてくれないか?」
第5章「二人のもう一つの転機」73ページより
かつて、同じライン上に立って、同じ方向を向いていた同志が、一旦、別々の方向を向き、今再び、全く異なる立ち位置から、同じ方向を向いた同志となった瞬間だった。
第3章「同じ縁から、縁の下と上、へと」42ページより