流星 (ゲイ小説 作品)

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この作品は、『がぶり寄り シリーズ』に属する作品です。

 かつて、空前の相撲ブームが起きた。
 俺はその主役たちより数年早く入門し、僅かに年上で、番付も先行していた。しかし、俺は自分の不祥事とブームの主役たちからの陵辱により、出世街道から外れていってしまう。
 手の中にあったはずの白星がさらさらと流れていく。しかしその一方で、情事は形を変えて続いていった。

■ 章構成 ■

天狗の鼻を抜かれる

協調して調教される

ささやかな逆襲

形を変えて花は開く

与える身へと

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全5章構成で、文字数約30K、A6文庫サイズのPDFで94ページとなっております。

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「大丈夫か?」
「親方、本当に何も知らないんすか?」
「何のことだ? それより、お前は部屋頭なんだから体調管理にも十分に気を遣え。それに大関取りの掛かった重要な場所だろうが」
 親方は言いたいことだけ言って去っていく。まあ、そうでなくても、どうせ俺に言えた台詞は、
「知らないのなら良いっす」
 くらいのもんだ。

第4章「形を変えて花は開く」68ページより

 ……気が付くと、広いが締め切られた暗い部屋。隙間から僅かな光が差し込む他に蝋燭の炎が一つ、目線の下で揺らめいている。その辺りには二本の白線。多分、仕切り線だ。やがて朧気ながら土俵が見えてくる。
「気分はどうかな?」

第2章「協調して調教される」26ページより

 最初は自分の腕を口に押し付けて堪えていた。しかし、それだけでは自信がなかった。俺は明登関を制して動きを止めると、身体を起こして立ち上がり、手拭いを手にして、自分に猿ぐつわを履かせようとした。
「何してるんだ?」
「声がでちゃうんだよ」
 俺は顔を赤くしながら即答した。それから、手拭いを結わくと無言で元の位置へと戻っていった。その行動も冷静に考えると凄く恥ずかしい。

第4章「形を変えて花は開く」71ページより

 あの三人の執着は異常だった。俺は犯られながらも半分は責め返している状態だった。その日もなんとか上手いこと三人を処理して乗り切ったつもりだった。
 だが、そこにわらわらと溢れかえる関取衆の姿。俺は目を疑った。
 あの三人が募ったのだろう、俺を勝たせたくない奴、単に鬱憤晴らしをしたい奴。もちろん来ていない関取もたくさんいた。それでも、この数じゃあ……。

第4章「形を変えて花は開く」66ページより

あとがきなど

さて、ある程度の年齢の方ならほとんどの方がご存知であろう、かつての大相撲ブーム。
マスコミや世間の注目が例の兄弟と同期の外国人力士に集まる中、筆者の目は別の方へと向いていました。
というわけで、その御方を主人公にしたお話を作ってみた、というのがこの作品です。

ほんと、大好きでしたね。
相撲も速ければ、頭の回転も速い。んで、手ぇ出すのも早けりゃ、多分、出るのも早い、と。
某弟が言葉選び過ぎで異様に待たされるのに対して、この御方は「えー」とか「そうですねぇ」とかのつなぎ言葉すら使わずに即答でぽんぽん帰ってくる。まぁ、若干考え足らずな感じも、無くはなかったですけれども。
何度も優勝できると思ってたんだけどなぁ。
でも、グレーな噂もあったし、黒だったとしたら、そのお金どこへ行ったんだろうね?

ちなみに、小説内では外国人力士の方とムフフな感じになっていくわけですが、ご本人さまの現役の頃は同じ外国人力士でも、四股名が近くて、読みが一文字抜けるだけという外国人力士の方と馬が合っていたようです。

必ずしも実在をトレースしようとは思っていなかった、むしろ、ずれていった方が良いや、くらいに思っていたので、自分の記憶だけを頼りに書いていったのですが、特に後半、引退間際の辺りなんかは大きく実際とはズレてしまったようです。
(まぁ、その後、退職して学校の先生になっちゃうなんていう続編『がぶり寄り』『がっぷり四つ』を書いちゃうくらいですから、もうご本人さまとはかけ離れ過ぎています。)

ルックス的には、やはり、重婚騒動の頃が一番美味しいかなぁ。
倫理とかその辺は置いておくとして、やはり、生命力に溢れていて性欲にギラギラしちゃっている方が魅力的であるのは確かですから。

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2014-08-15