がっぷり四つ (ゲイ小説 作品)
無自覚の一目惚れが原因で入部してしまった強豪相撲部。場違いな貧弱チビだったマルはそれでも、努力と鍛錬を重ねて立派な横幅と主将の座を獲得した。
しかし、マルはそれに留まらない。背と手足以外の才能がぐんぐんと伸びて、高校横綱とアマチュア横綱まで手中に収める。
マルに追い越された一年先輩主将の佐野は、マルへの想いから、マルに追い付くことを決意。恵まれた身体だけではマルに不足と己を鍛え直す。一年遅れのアマチュア横綱とプロへの入門。
本物になった佐野を見て、無意識の内に心を奪われていたマル。そんなマルに、入門から二場所連続全勝優勝で遜色の無い地位に上がった佐野はついに、積年の想いを告白するのだった。
孤高の二人が結ばれて、お互いに唯一無二の存在となると、そこから、二人の快進撃はどこまでも続いていく。
■ 章構成 ■
高校横綱
アマチュア横綱
プロの洗礼?
巣立ちの時
白馬の王子様
マウンティング
力を授ける行事
僕等の一日
僕等だけの夢へ
全9章構成で、文字数約64K、A6文庫サイズのPDFで210ページとなっております。
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……気が付くと、広いが締め切られた暗い部屋。月明かりもほとんど差し込まない暗がりに、ゆらゆらと揺れる弱いオレンジの光が微かに、壁と天井に反射している。
「気が付いたか」
第3章「プロの洗礼?」47ページより
「こ、これっ、キっツい……」
「ところで、皆さん何発ずつ出した? 途中までカウントしてたんだけど、分かんなくなっちゃって」
「俺は5発ですね」
「俺も5発だ」
「明水山関と明櫻関は5発。登龍関は?」
「俺は、7発だ。錦関が一番多そうだな?」
僕は記憶を辿って、射精したときの相手を一人目から思い返してみる。1、2、3、4、……
「は、8、かな……」
第7章「力を授ける行事」148ページより
「よし、分かった。お前達が頑張ると言うのなら、俺達も協力を惜しまない。それも関取の仕事だ。な? 錦関?」
「え? え?」
「「「ありがとうございます!!」」」
……嘘でしょ?
第7章「力を授ける行事」136ページより
「登龍関。先駆者ってのは大変なんだよ。登龍関がどれだけ意識していたか俺には分からないが、登龍関の前には道は出来ていなかった。登龍関は道無き道を切り開き、土台を固めて、そして、登錦関を引っ張り上げるだけでなく、ときには、後ろに回って後押ししたんだ。登錦関の努力ももちろん立派なものだ。だけど、登龍関の努力も凄く立派なんだ。登龍関はもっと自分を誇って良い」
第9章「僕等だけの夢へ」186ページより